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悪魔の手毬唄 (1961年 高倉健・版)
2015/04/22
20:27/Wed
地方の名家に踊る呪われし殺人事件。
不気味にうなり響くあの旋律は殺人の予告か!
名探偵・金田一耕助が事件の鍵を解く!
今回は「悪魔の手毬唄 (1961年 高倉健・版)」です。
原作 横溝正史。そして今回、名探偵・金田一耕助を演じるのは、若き日の高倉健さんです。
映画、ドラマなどで何度も映像化されている横溝正史の傑作ミステリー「悪魔の手毬唄」ですが、一番最初に映画化されたのは今から54年前の東映作品です。
主役の名探偵・金田一耕助を演じるのは、昨年急逝した大スター・高倉健さんで、丁度健さんが30歳の時の作品です。
原作は一応は、横溝正史なのですが・・・内容は、これまで見てきた「悪魔の手毬唄」とは、かなりの差異があり、想像とは違うものになっています。
尚、本作品は一度もビデオにもなっておらず、未DVD化作品なので、かなりのレアな金田一耕助映画です。
この健さんの「悪魔の手毬唄」が、どんな改変された内容なのか・・・
今回紹介するのは作品の一部ではありますが、興味のある方は下の追記を読む、から1960年代にプレイバックして下さい。
1961年11月15日東映系公開
監督 渡辺邦男
脚本 渡辺邦男、結束信一
原作 横溝正史 「宝石」連載。講談社・刊
企画 猪又永一
撮影 渡辺孝
音楽 山田栄一
製作・配給 東映
CAST
金田一耕助・・・高倉健
白木静子(金田一の秘書)・・・北原しげみ
磯川警部・・・・神田隆
遠藤和雄・・・・小野透
仁礼剛造・・・・永田靖
仁礼源一郎・・・大村文武
仁礼里子・・・・志村妙子
仁礼宮子・・・・不忍郷子
和泉須磨子・・・八代万智子
石山伍堂・・・・石黒達也
多々羅放庵・・・花沢徳衛
辰蔵 ・・・・・中村是好
五郎 ・・・菅原壮吉
日下部・・・山口勇
吉田・・・増田順司
栗林・・・山本麟一
1時間28分 シネマスコープサイズ モノクロ
ストーリー
これから起こる惨劇は、ある人気歌手の故郷への凱旋帰郷から始まった。
人気歌手、和泉須磨子は岡山県の山奥にある鬼首(おにこべ)村に向かう車中にいた。
運転しているのは、須磨子のマネージャーの男だ。
夜の真っ暗な山道をその車は走っていた。
すると、道の真ん中に二本の大きな丸太が道をふさぐように倒れていたので、マネージャーの男は車を停車させ、その丸太をどかそうとした、その時・・
突然、須磨子の悲鳴が響き渡った。マネージャーの男は須磨子の声に振り返り、車に戻ってみると、須磨子は胸を一突きされて、殺されていたのだった。
遺体となった須磨子の腹にはトランジスタ・ラジオが置かれており、和泉須磨子が歌っている“鬼首村手毬唄”がラジオから聴こえていた。
これが、これから始まる“鬼首村手毬唄”事件の発端で、名探偵・金田一耕助が事件の解明に乗り出していくのだった・・・
ストーリーの紹介は、今回は簡単にこれだけです。
今回の「悪魔の手毬唄」は、第一回映画化作品で、内容そのものが横溝正史の原作と異なっているので、ストーリーを説明するとものすごく長くなりそうなので、今回は手短にしました。
この高倉連さんの「悪魔の手毬唄」は、かなり前に新宿昭和館という映画館で見ました。新宿昭和館跡地には、現在はK's cinemaというミニシアターが入っているファンション関係のショップが入っているビルになっています。
その時は、健さんの三本立て上映で、確か「網走番外地」シリーズのうちの一本、「悪魔の手毬唄」後の一本は健さんの戦争やくざ映画で、最後健さんが腹にダイナマイト巻いて敵に突っ込んで自爆するという映画で、作品名は忘れました。
勿論、その時のお目当ては「悪魔の手毬唄」だったのですが、これが全くといっていいほど、どんな内容だったか見た割には、さっぱり憶えていませんでした。
多分、期待した程、面白くなかったせいか、寝てしまったのでしょうね。
今年の年明けに、池袋の新・文芸坐で、“高倉健さん追悼特集”で、この「悪魔の手毬唄」が上映されていました。
多分、この「悪魔の手毬唄」は今までにビデオソフト化もされていないと思います。それこそ、名画座などの特集上映でもなければ見ることが出来ない“ちょーレアな作品”です。
今回はCSの日本映画専門チャンネルの“24時間まるごと「名探偵と殺人事件」”から録画したものです。
「悪魔の手毬唄」の放送は4月があと一回、5月が4回ありますから、まだ見れるチャンスはあります。
いやあ、冒頭からして原作からまるで違う展開なのですから、ブッ飛びますよ。
冒頭に鬼首(おにこべ)村に凱旋帰郷した人気歌手の和泉須磨子は原作では殺されない設定です。
犯人には狙われて、殺されそうになりますが、実際に須磨子の身代わりになって殺されるのが、今回の映画にも出てくる仁礼(にれ)里子です。
原作では、里子は顔に生まれつき痣があり、その痣を隠す為に頭巾を被っているという役のですが、今回の里子はそんな設定ではなく、ごく普通のお嬢さんです。
多分、監督の渡辺邦男は、マトモに横溝正史の原作を読んでいないですね。読んでいたら、殺されない人物を冒頭で殺してしまうなんて有り得ない展開にはしないでしょう。
第一、最初に多々良法庵の失踪からして無い上に、原作の真犯人である青沼リカも登場しないのです。
もう、こうなったらメチャクチャな展開です。こんな原作を大幅に改変してよく原作者の横溝正史は怒らなかったと思いますよ。
それに、健さん演じる金田一耕助がスポーツカーに乗って登場なんて有り得ない。
だって、金田一耕助はちょー貧乏探偵ですよ。いつもよれよれの羽織袴姿で、今回の健さんのようなスーツ姿なんて金田一のキャラではありません。
まあ・・やはり54年前の作品ですから、健さん若いですっ!
特にスクリーンで高倉健さんを本格的には見たのは1970年代で、その頃は健さんは40代後半で、この作品のような“青年・高倉健”さんの作品を見る機会はなかなかないですからね。
「犬神家の一族」では、大事件を解決した功労者だというのに、諏訪弁護士から必要経費だけもらって、謝礼を固辞して列車に飛び乗っていますからね。
本来は金田一耕助は、宿代にも事欠く“貧乏探偵”な筈なのに、今回の高倉金田一はお金に困っている様子は微塵もなく、常に颯爽としています。
また、今回の映画のように美人秘書なんて雇う余裕なんてある筈がないのですけどね・・・
もっと酷かったのは、片岡知恵蔵が金田一を演じた「獄門島 黎明編」でした。
これも何年か前に、京橋のフィルムセンターで見ました。
金田一が変装してある人物に成りすまし、最後は拳銃ブッ放すという、金田一というより明らかに“これは多羅尾伴内だろう”という、何でも有りでした。
今回の健さんの金田一は、ひたすらカッコいいんです。
でも、本当の金田一はもじゃもじゃ頭から頭をかくとフケが飛び出すという、決してカッコいいキャラではないんですけどね。
1977年の石坂浩二の「悪魔の手毬唄」では原作通りの展開でした。
真犯人である岸恵子演じる青沼リカが仙人峠で、おりんという老婆に成りすまして金田一とすれ違うシーンが映画の象徴的シーンでした。
当然、あの“手毬唄伝説”も出てきません。まさに原作から離れた、“無いないづくし”です。
これじゃあ、“映画館で寝ちゃうよなあ・・”と、横溝正史ファンなら憤懣ものの内容です。
それでも、やはり高倉健さんはカッコ良かったです。
だから、これは別物の悪魔の手毬唄、と捉えて、“異聞・金田一耕助の事件簿”的な感じで見た方がいいですね。
どれくらい原作と離れているのか、見れる環境にある方は、是非ご自身の目で確かめてみて下さい。
高倉健 Blu-ray COLLECTION BOX (ブルーレイディスク)
★1,280円のキャンペーンも終了していまいましたが、それでも月額1,680円、は業界最安値です!新作でも一本のレンタル単価は、たったの210円です。この作品を借りるなら、是非DMMで!
それでは、また下の日本映画のバナーでもクリックして頂けば、少しは、新たに画像ソフトを購入して画像の質アップと格闘し、眠い体に“甘い鞭”を入れた、ささやかなご褒美となる、“甘い飴”となりますので、よろしくお願いします。
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監督 渡辺邦男
脚本 渡辺邦男、結束信一
原作 横溝正史 「宝石」連載。講談社・刊
企画 猪又永一
撮影 渡辺孝
音楽 山田栄一
製作・配給 東映
CAST
金田一耕助・・・高倉健
白木静子(金田一の秘書)・・・北原しげみ
磯川警部・・・・神田隆
遠藤和雄・・・・小野透
仁礼剛造・・・・永田靖
仁礼源一郎・・・大村文武
仁礼里子・・・・志村妙子
仁礼宮子・・・・不忍郷子
和泉須磨子・・・八代万智子
石山伍堂・・・・石黒達也
多々羅放庵・・・花沢徳衛
辰蔵 ・・・・・中村是好
五郎 ・・・菅原壮吉
日下部・・・山口勇
吉田・・・増田順司
栗林・・・山本麟一
1時間28分 シネマスコープサイズ モノクロ
ストーリー
これから起こる惨劇は、ある人気歌手の故郷への凱旋帰郷から始まった。
人気歌手、和泉須磨子は岡山県の山奥にある鬼首(おにこべ)村に向かう車中にいた。
運転しているのは、須磨子のマネージャーの男だ。
夜の真っ暗な山道をその車は走っていた。
すると、道の真ん中に二本の大きな丸太が道をふさぐように倒れていたので、マネージャーの男は車を停車させ、その丸太をどかそうとした、その時・・
突然、須磨子の悲鳴が響き渡った。マネージャーの男は須磨子の声に振り返り、車に戻ってみると、須磨子は胸を一突きされて、殺されていたのだった。
遺体となった須磨子の腹にはトランジスタ・ラジオが置かれており、和泉須磨子が歌っている“鬼首村手毬唄”がラジオから聴こえていた。
これが、これから始まる“鬼首村手毬唄”事件の発端で、名探偵・金田一耕助が事件の解明に乗り出していくのだった・・・
ストーリーの紹介は、今回は簡単にこれだけです。
今回の「悪魔の手毬唄」は、第一回映画化作品で、内容そのものが横溝正史の原作と異なっているので、ストーリーを説明するとものすごく長くなりそうなので、今回は手短にしました。
この高倉連さんの「悪魔の手毬唄」は、かなり前に新宿昭和館という映画館で見ました。新宿昭和館跡地には、現在はK's cinemaというミニシアターが入っているファンション関係のショップが入っているビルになっています。
その時は、健さんの三本立て上映で、確か「網走番外地」シリーズのうちの一本、「悪魔の手毬唄」後の一本は健さんの戦争やくざ映画で、最後健さんが腹にダイナマイト巻いて敵に突っ込んで自爆するという映画で、作品名は忘れました。
勿論、その時のお目当ては「悪魔の手毬唄」だったのですが、これが全くといっていいほど、どんな内容だったか見た割には、さっぱり憶えていませんでした。
多分、期待した程、面白くなかったせいか、寝てしまったのでしょうね。
今年の年明けに、池袋の新・文芸坐で、“高倉健さん追悼特集”で、この「悪魔の手毬唄」が上映されていました。
多分、この「悪魔の手毬唄」は今までにビデオソフト化もされていないと思います。それこそ、名画座などの特集上映でもなければ見ることが出来ない“ちょーレアな作品”です。
今回はCSの日本映画専門チャンネルの“24時間まるごと「名探偵と殺人事件」”から録画したものです。
「悪魔の手毬唄」の放送は4月があと一回、5月が4回ありますから、まだ見れるチャンスはあります。
いやあ、冒頭からして原作からまるで違う展開なのですから、ブッ飛びますよ。
冒頭に鬼首(おにこべ)村に凱旋帰郷した人気歌手の和泉須磨子は原作では殺されない設定です。
犯人には狙われて、殺されそうになりますが、実際に須磨子の身代わりになって殺されるのが、今回の映画にも出てくる仁礼(にれ)里子です。
原作では、里子は顔に生まれつき痣があり、その痣を隠す為に頭巾を被っているという役のですが、今回の里子はそんな設定ではなく、ごく普通のお嬢さんです。
多分、監督の渡辺邦男は、マトモに横溝正史の原作を読んでいないですね。読んでいたら、殺されない人物を冒頭で殺してしまうなんて有り得ない展開にはしないでしょう。
第一、最初に多々良法庵の失踪からして無い上に、原作の真犯人である青沼リカも登場しないのです。
もう、こうなったらメチャクチャな展開です。こんな原作を大幅に改変してよく原作者の横溝正史は怒らなかったと思いますよ。
それに、健さん演じる金田一耕助がスポーツカーに乗って登場なんて有り得ない。
だって、金田一耕助はちょー貧乏探偵ですよ。いつもよれよれの羽織袴姿で、今回の健さんのようなスーツ姿なんて金田一のキャラではありません。
まあ・・やはり54年前の作品ですから、健さん若いですっ!
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「犬神家の一族」では、大事件を解決した功労者だというのに、諏訪弁護士から必要経費だけもらって、謝礼を固辞して列車に飛び乗っていますからね。
本来は金田一耕助は、宿代にも事欠く“貧乏探偵”な筈なのに、今回の高倉金田一はお金に困っている様子は微塵もなく、常に颯爽としています。
また、今回の映画のように美人秘書なんて雇う余裕なんてある筈がないのですけどね・・・
もっと酷かったのは、片岡知恵蔵が金田一を演じた「獄門島 黎明編」でした。
これも何年か前に、京橋のフィルムセンターで見ました。
金田一が変装してある人物に成りすまし、最後は拳銃ブッ放すという、金田一というより明らかに“これは多羅尾伴内だろう”という、何でも有りでした。
今回の健さんの金田一は、ひたすらカッコいいんです。
でも、本当の金田一はもじゃもじゃ頭から頭をかくとフケが飛び出すという、決してカッコいいキャラではないんですけどね。
1977年の石坂浩二の「悪魔の手毬唄」では原作通りの展開でした。
真犯人である岸恵子演じる青沼リカが仙人峠で、おりんという老婆に成りすまして金田一とすれ違うシーンが映画の象徴的シーンでした。
当然、あの“手毬唄伝説”も出てきません。まさに原作から離れた、“無いないづくし”です。
これじゃあ、“映画館で寝ちゃうよなあ・・”と、横溝正史ファンなら憤懣ものの内容です。
それでも、やはり高倉健さんはカッコ良かったです。
だから、これは別物の悪魔の手毬唄、と捉えて、“異聞・金田一耕助の事件簿”的な感じで見た方がいいですね。
どれくらい原作と離れているのか、見れる環境にある方は、是非ご自身の目で確かめてみて下さい。
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by. MARUMA
[悪魔の手鞠唄]は大好きな作品です♪
それだけにこの作品は許せません!!
劇場で見たら、怒りで眠るどころではないです!!
しかし、よくこんなに原作を無視して作者は怒らなかったですね?
それだけにこの作品は許せません!!
劇場で見たら、怒りで眠るどころではないです!!
しかし、よくこんなに原作を無視して作者は怒らなかったですね?
2015.04.29
(21:40)
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EDIT
金田一耕助ファンなら、皆同じことを言うでしょう by. じんのすけ
[悪魔の手鞠唄]は大好きな作品です♪
> それだけにこの作品は許せません!!
いやいや、片岡千恵蔵御大の「獄門島」に比べたら、健さんの「悪魔の手鞠唄」なんてかわいい(?)ものですよ。
横溝ファンで金田一耕助の映画化作品で、どの作品がベストかと訊かれたら「犬神家の一族」と並んで1977年の石坂浩二・版の「悪魔の手鞠唄」が出てくるでしょうからね。
> 劇場で見たら、怒りで眠るどころではないです!!
別に怒ったって、ロードショーで見たわけではないし、遠い過去の作品ですから、抗議のしようもないですよ。
> しかし、よくこんなに原作を無視して作者は怒らなかったですね?
多分、1960年代の横溝正史はそれほど大作家でもなかったからでしょう。
多分、原作者の横溝氏は原作権を売った時点で、別物になると諦めていたような気がしますけどね。
> それだけにこの作品は許せません!!
いやいや、片岡千恵蔵御大の「獄門島」に比べたら、健さんの「悪魔の手鞠唄」なんてかわいい(?)ものですよ。
横溝ファンで金田一耕助の映画化作品で、どの作品がベストかと訊かれたら「犬神家の一族」と並んで1977年の石坂浩二・版の「悪魔の手鞠唄」が出てくるでしょうからね。
> 劇場で見たら、怒りで眠るどころではないです!!
別に怒ったって、ロードショーで見たわけではないし、遠い過去の作品ですから、抗議のしようもないですよ。
> しかし、よくこんなに原作を無視して作者は怒らなかったですね?
多分、1960年代の横溝正史はそれほど大作家でもなかったからでしょう。
多分、原作者の横溝氏は原作権を売った時点で、別物になると諦めていたような気がしますけどね。
2015.04.29
(22:29)
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