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鑑識・米沢守の事件簿 相棒シリーズ
私が今、亡き妻にしてあげることは
事件の〈真相〉を暴くことだけです。
人気シリーズ、相棒も遂にシーズン8に突入して現在放送中ですが、今回はそのスピンオフの映画です。
でも、一番上の宣伝コピーは間違っていますね。鑑識・米沢守の妻は死んでいない、のですよ。
いきなりネタバレで、申し訳ないですが、今回の事件の焦点は米沢の元・妻によく似た女性が事件の被害者ということなのです。
それ以上は、ストーリーで追っていけば、わかってしまいますが、重要なネタバレだけはしません。
新作ですので、例によって最後の方の事件の核心については、バサッと説明を切ります。
これから見るという方は、一応(?)は、ご安心してお進み下さい。
2009年3月28日公開 配給 東映
監督・・・長谷部安春
原作・・・ハセベバクシンオー『鑑識・米沢の事件簿 ~幻の女房~』
脚本・・・飯田武(櫻井武晴)
音楽・・・池頼広
主題歌・・『絆』 作詞:宮本浩次 / 作曲:宮本浩次、YANAGIMAN / 編曲:YANAGIMAN、エレファントカシマシ
105分 ビスタサイズ
CAST
米沢守 - 六角精児
相原誠 - 萩原聖人
天野達之 - 市川染五郎
真鍋知子 - 紺野まひる
高橋早苗 - 片桐はいり
楽光治朗 - 伊武雅刀
亀山美和子 - 鈴木砂羽
宮部たまき - 益戸育江
伊丹憲一 - 川原和久
三浦信輔 - 大谷亮介
芹沢慶二 - 山中崇史
角田六郎 - 山西惇
大河内春樹 - 神保悟志
中園照生 - 小野了
内村完爾 - 片桐竜次
杉下右京 - 水谷豊
亀山薫 - 寺脇康文
ストーリー
東京ビックシティマラソンの事件が終わった直後、警視庁、鑑識課員はそのモニターに映っていた一人の女性に目を奪われます。
そのマラソンランナーの中に数年前に離婚届けを机の上に置いて家を出た、元・妻の和子がいたのです。
すぐに米沢は、マラソン事務局に行って、元・妻の居場所を探りに行きます。勿論、個人情報に拘るので教えてもらえないところですが、何とか警察の特権を利用して妻の住所を知ることができました。
米沢は、元・妻を尋ねようとした矢先、殺人事件が起こり、一本の電話で起されますが、その現場はその妻のアパートでした。
事件現場に行ってみると、青酸カリで自殺したと思われる女性の変死体がありました。
その変死体は、米沢の妻なのかは、その段階ではわかりませんでした。
検死の結果、顔は別れた妻にはよく似ているものの、血液型は違っており米沢の元・妻と全くの別人だということが判りました。
死んだのが、元・妻ではなくてホッとする米沢でしたが、すぐに千束署の刑事の相原(萩原聖人)が訪ねてきます。
相原は、その死んだ女性の別れた夫でした。
かくして、米沢はその相原と共に真鍋知子の死の真相を追究していくことになります。
その裏には警察の外郭団体・青少年防犯協会の事務局長の横領・セクハラがからんでおり、事件の真相は意外なところにあった!?
今回のストーリーの紹介は、これで終わりです。中盤まで、あまり詳しく書いてしまうと、犯人が誰だか検討がついてしまいますからね。
相棒のスピンオフということで、本来の右京&亀山は今回の事件には一切タッチしていません。
でも、所々でその相棒は、映画の中で顔を出してきますけどね。
まあ、今回の事件の鍵を解くヒントを、米沢が右京から落語のCDをもらったことでひらめきますが、その落語のCD自体は事件と何ら関係ありません。
今回の主役は鑑識官・米沢守ですから、今回の相棒は萩原聖人演じる相原という刑事です。
この新・相棒コンビ、なかなか面白いですよ。
その相棒となった相原にサラッと失礼なことを米沢は言われて、意外と米沢は傷つきやすいタイプだとわかりました。
その会話が実に絶妙で、笑ってしまいました。
まあ、どちらも奥さんに逃げられた過去を持ちますから、似た者同士なんです。
それにしても、今回の紺野まひるは、あのおたく鑑識官の奥さんにしては美人過ぎはしませんか?
ちなみに、その米沢の元・妻と殺された相原の元・妻の顔が瓜二つの美人妻を演じている紺野まひる は、元・宝塚のスターだったようです。
なるほど、どおりでキレイなわけだ。
今回の映画で、紺野まひる 、は気になる女優になったので、過去の出演作は後日ググってみたいですね。
正確には、今回の事件で殺された相原の妻、真鍋知子という女性と米沢の元・妻が瓜二つという設定なのですが、米沢の幸せな過去のフラッシュバックで度々、米沢の元・奥さん役でも出てきますよ。
実際にこんなキレイでかわいい奥さんがいたら、家に帰るのが楽しくて仕方ないはずですけどね。
映画の中では、米沢は仕事に没頭して家を空ける日々が続いたために、ある日突然奥さんが出て行ったという設定です。
そこらヘンが実にベタな展開です。
結局はですね。その米沢の元・奥さんがどうして出て行ったか、本当の理由はわからずじまいでこの映画は終わってしまうんです。
何となくわかるような気がしないでもないけど、そこを曖昧に終わらせず、すっきりと決着をつけてほしかったですね。
その私的な部分での米沢守の事件簿(?)は、未解決のまま終わりますからね。
ある日、突然奥さんが離婚届けを置いて家を出て行ってしまったは、やはり男にとっては、事件でしょ!?
結局は、今回の映画はスピンオフということで、前回の事件と関連性を持たせつつも、事件の規模は小さかったですね。
そういえば、映画・踊る走査線2の中で、 ゛事件に小さいも大きいもない゛という台詞を思い出しました。
それに当てはめれば、映画にも大きいも小さいもない。
それは、個々の観客が判断することだ、ということにも当てはまるでしょうか。
今回の事件は、共に奥さんに逃げられた者が相棒となって、死んだ妻の死の真相を追うというものでした。
前回の大掛かりなテロ計画事件に比べると、今回の事件は少し地味ですが、男の侘びしさが何とも心に染みる、哀愁漂う作品でした。
この米沢守の事件簿パートⅡが既に原作としてあるようで、果たしてそれはシリーズとして映画化されるのでしょうか。
もうひとつ追記ですが、今回の米沢の元妻役に紺野まひるを起用した理由が何となく理解できました。
今回の事件のキーワードは、美しいものに対する羨望と嫉妬。
だから、被害者の女性は絶対的美人でなければいけなかったのです。
結局は、この映画で鑑識官・米沢守は優しかった元・妻という、"幻の光"を見ていただけでしたね。
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☆★☆お知らせ☆★☆
次回、アップ予定は、MW-ムウ-劇場版です。
尚、次回から画像はサムネイル表示で、ダブルクリックで拡大表示にします。
今まではアップロードの容量を気にして画像を縮小してきましたが、その画像縮小作業も時間がかかったりしますので、次回からは作ったサイズの画像をアップロードします。
これから、画像の説明の台詞を映画を見ながら拾ったり、アップロード作業に入りますので、記事をアップできるのは、早くても朝が明けて今日の夜となるかと思います。
追記:試験的に鑑識・米沢守の事件簿の一部の写真を拡大表示できるようにしてみました。
2段目の写真と、紺野まひるの宣伝用写真です。
MW-ムウ-のアップは早くても、明日の夕方か、やはり夜になります。これから書くと確実に夜が明けますので・・
只今、急ピッチで編集中です!
今日(11/11)中のアップは、難しくなりましたが、明日の深夜にはアップしています。
すいません、もうしばらくお待ちください。
MW-ムウ-
生きる物、すべて道連れだ。
世界を変えるのは、破壊か。祈りか。
世界的な漫画家・手塚治虫氏の生誕80年を記念して作られた映画です。
ただ、内容は手塚治虫の原作と異なる部分が多数あるためか、これは別物であるという手塚ファンからの猛反発があったようですね。
原作では、主人公二人が同性愛者の設定のようですが、映画ではそんな描写は殆どありませんでした。
この映画のスポンサーからのクレームで、それは取りやめになったようですね。この映画の公式HPでは、そんな仲を思わせる゛ホモだち゛的でしたけど・・
残念ながら、この手塚治虫の原作は一度も見たことはありません。
この手塚治虫の原作漫画は、「ビッグコミック」(小学館)で、1976年9月10日号 ~ 1978年1月25日号に連載されたようですが、当時は一度も見た記憶すらないですね。
同時期に確か秋田書店の週刊少年チャンピオンで「ブラックジャック」も連載されており、そちらの方はリアルタイムで愛読していましたので、よく知っています。
そもそも、このMW-ムウ-の内容が、同性愛と国家的なテロ殺戮が絡む、手塚治虫にしてはかなりの異色作ですので、あまり子供向きではないですね。
今回の映画で、玉木宏が初めての悪役に挑みました。
もう少しすると、今度は最近奇行が目立つ、上野樹里の、のだめ調教映画(?)が12月に公開されます。
正月映画として公開予定の、のだめ映画でも主演の玉木宏は、上野樹里の天然ぶりに頭を痛めてるそうですね。 まさに、玉木宏は珍獣ジュリの調教師、といったところでしょうか。
しかし、今回紹介する映画は、日本映画に久々登場したした、ピカレスクロマンの映画です。
尚、今回から画像すべてダブルクリックで拡大表示されます。
2009年7月4日 公開
監督:岩本仁志
原作:手塚治虫
脚本:大石哲也、木村春夫
音楽:池頼広
主題歌:flumpool「MW 〜Dear Mr. & Ms. ピカレスク〜」((A-Sketch))
挿入歌:SWANKY DANK「For You」(UNITED NOTES)
配給 ギャガ・コミュニケーションズ
上映時間 129分 シネマスコープ
CAST
結城美智雄:玉木宏
賀来裕太郎:山田孝之
溝畑:山本裕典
美香:山下リオ
三田:風間トオル
松尾:鶴見辰吾
岡崎俊一:中村育二
山下孝志:半海一晃
望月靖男:品川徹
橘誠司:林泰文
牧野京子:石田ゆり子
沢木和之:石橋凌
岡崎愛子:小松彩夏
アナウンサー:藤井貴彦、山本舞衣子(日本テレビアナウンサー)
●ストーリー
16年前、゛沖之真船島゛という孤島で、島民全員が虐殺されるという大事件が起きましたが、それは日本政府の圧力によって公表されず、その惨劇は闇に葬られていました。
しかし、そんな中で少年二人が島から脱出していました。
成長した少年の一人は、賀来(がらい)裕太郎といい、その後、教会の神父になっていました。
もう一人、青年に成長した男は、タイのバンコクにいました。
そして、そのタイのバンコクで若い日本人女性の誘拐事件が起こりました。
警察の必死の誘導捜査も虚しく、誘拐された娘とその取引に応じた父親の死体が発見されるという最悪の結果になりました。
そのタイで起きた日本人父娘殺害、身代金強奪の犯人こそが、あの島で生き残った少年の結城美智雄(玉木宏)でした。
彼も青年となり、表の顔はエリート銀行員です。
タイに滞在中からあの事件の担当だった、沢木という刑事は結城を徹底マークしますが、そんなに簡単に結城は尻尾は出しません。
その一方で、新聞記者の牧野京子(石田ゆり子)は、先輩記者の事故死に疑問を抱き、いろいろと調べているうちに、16年前の島民全員虐殺に辿り着いていました。
その中に生き残った少年がいることを突き止め、その一人である神父の賀来に会いに行きます。
その教会に結城も現れましたが、京子の問いかけには、賀来・結城、両者共に一切答えませんでした。
結城は裏で、あの島民虐殺隠蔽工作に関わった人物を次々と抹殺していきました。
彼はあの事件の復讐を遂げていくと共に、国家を揺るがすテロ計画を準備を進めていました。
あの島民虐殺の裏には、戦慄の国家の謀略があり、結城は悪魔となって、その国家を裁いていきます。
果たして、MW-ムウ-と呼ばれるものは、一体何なのか!?
●結城美智雄は血も涙もない男
玉木宏演じる結城という男は、島で家族を殺されていますから、その計画には情け容赦ないですね。
どんなに懇願されようとも、助ける気は全くないです。いとも簡単に殺してしまいます。
まさに、悪魔に魂を売り渡した男、として描かれています。
今回の結城という役は、玉木宏の今まで演じてきたキャラとは全く違いますね。
いわゆる結城は国家への復讐に静かに燃えるテロリスト、といったところです。
●MWはアメリカの軍事用の毒ガス殺人兵器
また、大きなネタバレで申し訳ありません。
でも、この映画、ある程度の予備知識みたいなものがないと、わかりにくいですよ。特に原作の世界を全く知らない者にとっては、最初はホント見ていても、よくわからなかったです。
それに、この映画はそのムウの正体を暴くというより、そのムウを巡っての争いがメインですからね。
また、アメリカの軍部によって、そのムウの秘密を知っている者は次々と消されていきます。
誰も、MW-ムウ-の存在を知ってはならない、と・・
そういう意味では、結城は自らの意思とは逆に、アメリカの軍部に協力しているような結果になっていきますね。結城といえども、アメリカを敵に回せるほどの力はありませんから。
いわゆるMW-ムウ-は、アメリカが日本の孤島で研究開発していた軍事用の毒ガス兵器で、それがある時、事故で島に流出して島民が死んだことが事件の発端です。
そんな事が表に出たら大問題になりますので、米軍が日本の外務省に要請して、島民を全員虐殺して、その外務省のある人物が隠蔽工作をした、ということです。
そもそも、そんな事件はなかった、ということにしたのです。
だからといって、結城はそのアメリカの軍部と裏で繋がっているというわけでもないみたいです。
彼自身が子供の頃に、その毒ガス流出事件で殺されかけていますからね。
現代が舞台ということで、あの大事件も出てきます。
地下鉄サリン事件と9.11テロ事件。
ただ、それはこの時代の背景で、この映画に出てくる事件とは何ら関係性はないです。
出てくるといっても、地下鉄サリン事件は石田ゆり子の口から語られる程度です。
でも、9.11だけは、何か結城がアメリカへの復讐を匂わす台詞を電話で刑事の沢木に言っているのが少し気になりました。
それと、この映画が公開される直前に、スペシャルドラマ『MW-ムウ- 第0章 〜悪魔のゲーム〜』が、6月30日に日本テレビ系で放送されました。
そのスペシャルドラマは原作にはない、ドラマだけのオリジナルストーリーのようです。
しかし、そのドラマの視聴率も9.9%、と極めて低い数字だったせいか、この映画の興行には余り結びつかなかったようです。
そのドラマ、キャストも映画とは異なっていて、主要人物である山田孝之の賀来裕太郎の名前もありませんでした。
この映画の終わり方は、何だか続編を匂わせていましたが、映画の興行成績が七憶円程度だったようで、それでは続編は作られる可能性は低いでしょうね。
この映画、画面が暗いせいかラストの方で何が起きたのか、もう一度見直さないとよくわかりません。
ブルーレイを売る戦略なのか、最近のDVDは明らかに画質落としているような気がしてなりません。
つまらない、とまでは言いませんが、それほど期待したほどではなかった、というのが今回の率直な感想でした。
余命1ヶ月の花嫁・前編 "君のことが好きだから・・"
その時間のすべてが
僕たちの宝物だった。
明日がくることは奇跡です。
今回は実に、ベタベタに泣ける感動映画ですっ!
ただ、見る前はこの手の泣かせてやろうみたいな映画は少し食傷気味でした。
というのは、これは実話です、みたいな感動実話物語がテレビ局の24時間チャリティー番組に必ず組み込まれていて、見飽きた感じがありましたからね。
だから、割と醒めた目で見てしまうのかと思ってたら、あらら・・
思いっきりハマってしまいました!
ぶっちゃけ、映画とかドラマはその時自分の置かれている環境とか心情によっても、見方や評価は変わってくると思います。
例えば、自分の両親のどちらが亡くなった直後に「異人たちとの夏」(1989年大林宣彦監督)を見たら、泣けて泣けて仕方ないと思いますよ。
まあ、人によってはこの手の感動実話的なものはダメ、という方もいると思いますが、好みだけはどうしょうもないですけどね。
今回はストーリー紹介は、少し私情を交えたものになってしまうかもしれません。このドラマのモデルとなった、24才の若さで乳がんでこの世を去った長島千恵さんの冒頭に出てくるメッセージが余りにも強烈過ぎて、魂を揺さぶられるものでしたから・・・
2009年5月9日東宝系公開
監督: 廣木隆一
脚本: 斉藤ひろし
プロデューサー: 平野隆
音楽: 大橋好規
撮影: 斉藤幸一
制作プロダクション: ツインズジャパン
制作: "April Bride" Project
主題歌
『明日がくるなら』JUJU with JAY'ED(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
テーマ曲 『The ROSE』ベット・ミドラー
CAST
長島千恵: 榮倉奈々
赤須太郎: 瑛太
長島貞士: 柄本明
加代子: 手塚理美
花子: 安田美沙子
赤須敏郎: 大杉漣
岡田: 津田寛治
奥野: 田口トモロヲ 129分 ビスタサイズ
●ストーリー
みなさんに
明日がくることは奇跡です。
それを知っていることだけで、
日常は幸せなことだらけで
溢れています。 長島千恵
この作品の冒頭は、映画のモデルとなった長島千恵さんのメッセージで始まります。
二人の出会いはお互い仕事上のミスから始まりました。
イベントコンパニオンをしている長島千恵が慌てて、赤須太郎の元に駈けよって来ました。
自分のブースに飛び込んできた来たコンパニオンの千恵を自分の担当だと勘違いした太郎は、リハーサルをやってているうちに台詞が全く違うことに上司に指摘され、その子が自分たちの会社とは全く違うことに、ようやく気付きました。
帰りのバスの中でも二人は偶然に会い、お互いの勘違いについて話したことがキッカケで、二人は付き合うようになります。
太郎と水族館などでデートを重ねる千恵にとっては、幸せな時間がゆっくりと流れていました。
太郎との結婚も考えるようになり、千恵は実家を太郎を連れて行き、自分の父親に会わせます。
しかし、千恵の体は病魔が進行していました。 千恵は乳がんにかかっていたのです。
病院の検診でそのことを知った千恵は、太郎と別れようとしますが、太郎がガンとして受け付けません。それは、逆に太郎の千恵への想いを加速させるだけでした。
千恵は太郎の負担になることを嫌い、ある日、手帳を破って書いたメモのような、さよならの切れ端を置いて、太郎の前から姿を消します。
乳がんの手術の当日は、父親が付き添ってくれました。実は、千恵の母親も同じ病気で亡くなっていたのです。
太郎としては、そんな紙切れ一枚では納得がいきません。すぐに千恵の実家に飛び、父親に千恵の居場所を聞こうとしますが・・・
しかし、知恵の父親は ゛もう忘れてやってくれ。だから、千恵も辛いんだよ゛と、なかなか居場所を教えてくれませんでしたが、その会話の中で太郎はあるヒントを思い出しました。
太郎は元々、魚嫌いでしたが、それでも唯一、屋久島で食べた゛首折れサバ゛だけは食べれたことを千恵に話したことがありました。
すぐに太郎は屋久島に飛び、やっと千恵を捕まえました。
そして、知恵は服をめくり、手術後の傷が痛々しい、乳房がもうない現実を太郎に見せます。
そんな衝撃的な現実を見せられて、愕然とする太郎ですが、千恵のおっぱいがないくらいで、千恵への想いは微動だりもしません。
おっぱいなんかなくったっていい!千恵は千恵のままでいれば、それでいい!
千恵はそんな太郎の言葉にも、太郎ちゃんが変わっちゃうかもしれないぢゃん!と言い・・
俺は変わらない!、と太郎は千恵を抱きしめます。
太郎に抱きしめながら、ないている千恵に太郎は約束します。
約束する。俺は変わらない、千恵は・・
千恵も・・ずっと変わらないよ。約束する。と、千恵もその太郎の愛情に応えます。
屋久島の美しい海が二人の愛を見つめていました。
これが前半の山ですね。前半のストーリーの紹介はここで打ち切ります。
今まで、乳がんを扱ったドラマの多くは、その術後の傷は、背中越しに撮って、その相手にしか見せてない、つまりには観客には見せないスタイルが多かったですが、今回の映画は明るい場所ではっきりと見せているんですね。
これは、観客にとってもちょっとした衝撃です。女性のシンボルである乳房が切り取られた傷跡なんて、ドラマでもあまり見せないですからね。
その切り取られた術後を見せることで、千恵は自分の乳房が太郎に愛されることが、現実にもうない、ことを見せています。
やっぱり男にとって女性の胸は、ないよりあった方がいいですからね。
千恵は健康な女の子が恋人だけに許す行為を太郎に、させてあげることは、もうできません。
でも、太郎にとっておっぱいよりも千恵の存在そのものがすべて、なんです。
このシーンを見て何故か、小田和正が一度だけ監督した映画「いつか何処かで」の主題歌のフレーズを想い出だしました。
何もいらない。もう、何も求めない。
ただ、愛しい人がそばにいてくれるだけで、それでいい。ということなのでしょう。
太郎が千恵を支えるというのではなく、太郎が最期まで千恵のそばにいることで、太郎の心が支えられている、と解釈できるシーンです。
どんなことがあっても、愛しい人を最後まで寄り添い、できることはすべてやり尽くしたい。
それは、男の本懐、みたいなもんです。
ちょっと、腰砕けになりますが、写真のデータがまだ全部作れてないので、あとは後編に続く、になります。
どうしても時間がかかる作業なので、一度にアップするとなると2日ぐらいかかって更新が遅れますので、また小分けにします。
さて、後半は更なる過酷な運命が待ち受けています。
当たり前のようにある明日が来るということ。それは健康という大前提があって成り立っているということを、ついつい忘れてしまいがちになります。
今回の映画で、 この映画の長嶋千恵さんの痛烈なメッセージは、それが何よりもかけがえのないことだと思い知らされました。
今が最悪でも、生きてさえいれば、再生できる日や、楽しいことはこれからもありますからね。
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余命1ヶ月の花嫁・後編 "終わらない、明日"
太郎ちゃん。
千恵は太郎ちゃんに出会えて・・・
幸せでした。
さて、感動の後編に突入です。
千恵は、おっぱいを失った代わりに、太郎という宝物を再び取り戻すことができました。
それは千恵にとって、どんな高価な宝石にも敵わない、生涯で最高の宝物です。
知恵は、一人で生きていくつもりでいました。だけど、太郎は千恵を一人にはしなかった。
ある意味、千恵は無意識のうちに太郎にサインを送っていたのだと思います。
自分を追いかけてきてほしい、と・・・
後半のストーリーの詳細な紹介はやめます!
前半、台詞を交えて余りにも詳しく紹介してしまいましたから、後半もその調子で紹介すると、この映画を見ていない人も何だか、見てしまった気分になるでしょう。
後半は乳房を切除したにも拘らず、ガンが他に転移して手の施し様がない状態になっていた、というよくある展開です。
後半ストーリーを紹介しないと言いつつ、物語部分に触れていますので、ストーリーを小分けしただけかもしれませんね。
この映画に関しては、二度目に見た時の方が感動しました。
それは、主人公たちに感情移入してしまっているからでしょうね。
ラストのネタバレはしない、といってもタイトルそのものがネタバレ的なものですからね。
タイトルだけで、主人公の女の子がどんな運命を辿るか、わかっちゃいますからね。
写真でわかっちゃうかもしれないけれど、結婚式がラストーンではないです。千恵の最期の臨終の写真は使いません。
余命一ヶ月、としといて、実はまだ生きていますみたいなオチには絶対にならない、ですし・・・
だから、後編は感想のみに止めておきます。結婚式での千恵に起きたサプライズのネタバレはしない方がいいかな、と思いましたので。
それはストーリー的には小さなサプライズですが、千恵にとってはものすごく嬉しいものです。
太郎はそのアイテムを求めて、雨の中をズブ濡れになって奔走します。しっかり、゛青春映画゛してます。
まあ、言わせてもらえれば、男は好きな女の子の好きなアイテムぐらい、心のハードディスクに常時保存してますよ。
それが忘れたとか消去されたなんてのは、気持ちが変わったという証拠でしよう。
まあ、長年連れ添うと、そういうことが起こりうるみたいですけどね。
千恵って女の子は、心もかわいい女の子ですね。
ちゃんと太郎の仕事での立場や、太郎の将来も考えている。
だけど、太郎の気持ちまでは考えている余裕はないようです。
自分はもうすぐ、この世から消える存在だから、将来太郎を好きになるかもしれない彼女のために、ウェデングドレス写真は自分一人でいい、と淋しいことを太郎に言います。
千恵は、太郎をバツイチにしたくない、ようです。
でも、これって、男の気持ちをバカにしてますよ。
男ってのは、実に愚かな生き物、だと思います。
男は、好きな女の子の為なら、自分の身はいくらでも削れます。
それが出来ない男は、それだけの気持ちがない、ってことではないでしようか。
凄い極端なことを言っているのは、自分でもわかりますが、この映画の太郎はまさにそれが当てはまっているような気がします。
だから、太郎の千恵に対する愛情は、引くに引けない男の気持ち、なんです。
それに、この物語は架空の創作の物語ではなく、実在しててますしね。
映画の途中で、太郎の父親(大杉蓮)が、゛お前はいつか彼女を支えきれなくなる。それで辛い思いをするのは彼女だぞ゛と厳しい苦言を呈されるシーンがあります。
それは当っているようで、実は間違っているようにも思います。
それに、親に言われたぐらいで彼女の元を去る奴だったら、そいつ男じゃない!
男だったら、意地を張れ!それが男だ!
すいません。必要以上に熱くなってしまってます。
結局、太郎の父親の苦言は、全くの逆効果で、太郎にとっては、火に油を注がれたようなものです。
だから、自分の父親にそんなお説教食らった太郎は、更にムキになって病院に泊まり込みで、そこから会社通勤、という荒技に出ますからね。
思わず、太郎ちゃん、えらい!っと言ってしまいそうになります。
太郎は千恵のそばにいて、いろいろとやっていることで、彼の精神の均衡が保たれているような気がします。
もし、それが自分の生活だけになって、ただ電話等で千恵の様子を聞く程度で何もできない状態だつたら・・彼は逆に壊れていったかもしれません。
それは太郎が千恵にそばにいることで、彼の生きる力になっているように思えるからです。
かなり、この映画に入り込み過ぎて、感想とはかけ離れたものになりましたね。
でも、どれだけその映画に感情移入できるか、それが映画の見方を変える場合もあります。
実は、見る前はこんなベタベタ感動映画は、それほど期待もしていなかったんですよ。
まさかこんなに、どっぷりとハマるとは予想外でした。
映画って、ホント見てみないことには、わからないものですね。
乳がんは女性特有の最近流行りだした現代病のようですね。
それは、健康な人間にとってはまさに゛人ごと゛です。
ただ、自分たちは知らないところで体の内部が破損し始めていて、それに気付かないだけ、なのかもしれません。
そう考えると、死は遠い将来にあるようで、実は背中合わせにある、ような気もしてきます。
健康であること。それが何よりも生きていく上での゛かけがえのない財産゛なのに、いつしかそんなものは当たり前過ぎて、日常において意識すらしませんよね。
病気になって改めて分かる、゛健康である有り難味゛とは、よく言ったものですね。
この映画の長島千恵さんのメッセージである。明日が来るということは、何でもないようことが実は、素晴らしいことなんだと改めて気付かされました。
もっと早く検診を受けていたなら、゛その素晴らしい明日゛はまだ続いていたのに・・・
恐らく、ガンで亡くなっていった人の多くの無念が、その言葉に集約されているような気がします。
大事な人を失った時は、誰しもが辛いです。個人的なことですが、僕も去年妹を病気で失いました。
その時、さだまさしの「防人(さきもり)の詩」の第三小節がふと頭に浮かんできました。
欠けていく月もやがて満ちて来る
なりわいの中で。
その゛月゛という言葉は人の気持ちを現しているように思えます。
人は、悲しいことがあったからといって、ずっと泣いて過ごすわけにはいきません。心の欠けた部分は、時間がゆっくりと修復してくれます。
それは以前、当ブログの「二百三高地」にも同じことを書いたような気もしますが・・・ 書いたことはすぐに忘れてしまいます。
音楽は、JUJU with JAY'EDの『明日がくるなら』よりも、むしろテーマ曲使われている映画音楽の名曲で名高い、ベット・ミドラーの『The ROSE』が、かなりヤバイですっ!
その曲、バラードですから、千恵の心情と重なって見ている者の心にジワッと広がって、ウルウルモードにスイッチ・オン!です。
昔、宮崎駿の「おもいでぽろぽろ」で、その曲を使用した、都はるみの和訳の主題歌がありました。
愛は花。命の花。
君はその種子(たね)
とにかく、映画は見て見ないことには、いいか悪いかなんて判りません。
感動物は食わず嫌い、という方もいるでしょうが、たまには自分の不得意分野を開拓してみてはいかがでしようか。
不遜な言い方になるけど、長島千恵さんの短い生涯は、決して不幸なだけの人生ではなかったような気がします。
短い間だっただろうけれど、一人の男の一途で献身的な一生分の愛を注がれて、それを全して旅立たれていかれましたしね。
例え、その身は白い粉と変わり果てようとも、あなたが遺したもの、はずっと未来永劫消えることなく、あなたの好きだった人たちの中で生き続けるはずですから・・
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深夜食堂 第二話 猫まんまの女
今夜は、小腹も心も満たします
今回は、現在深夜に放送されているドラマ「深夜食堂」の第二話、猫まんまを取上げます。
新宿三丁目あたりにある定食屋が舞台の人情喜劇です。
定食屋が舞台なので、ドラマの中で出てくるメニューは一般家庭でもある、ごく普通の定食メニューです。
特に今回は削りたての鰹節をご飯に乗せて醬油をかけたたけのぶっかけメシです。
多分、こんな簡単なものを出す定食屋は、どこにもないのでしょうか。
この回の放送は終わっているので、最後のネタバレまでいきます。
今回はどうぞ見ていない方も、下の追記を読む、から見たような気分になってください。