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幻の湖

幻の湖に伝わる伝説。
愛犬を殺されたソープ嬢の復讐。
織田信長の時代に遡り、最後は宇宙に飛ぶ。






今回はいつの間にか、カルト映画化してしまった、伝説(?)の幻の湖です。
公開が今から27年前の1982(昭和57)年で、東宝50周年記念作品として封切られたものの・・・不入りで、二週間で打ち切られています。
だから、よほどの映画ファンでもない限り、この映画の存在すら知らなかった、という人は多いと思います。
この続きは、下の追記を読む、からどうぞ!
三本木農業高校、馬術部~盲目の馬と少女の実話~






今回の映画はタイトルは地味ですが、なかなかどうして、爽やかな感動青春映画です。
とは言っても、この映画の存在を知ったのは昨年11月末の報知映画賞でした。
その報知映画賞で、この映画で主演している長渕文音(あやね)の新人賞受賞で、この映画を知りました。映画のポスターぐらい劇場前で何回か見た記憶はありましたが、その程度の認知度でしたから。
この映画の主演女優、長渕文音は、あの長渕剛と志穂美悦子の長女です。この映画がデビュー作となりました。






お母さん・志穂美悦子は女性初のアクションスターであり、70年代を代表するアイドル女優でした。
若い頃のお母さんの志穂美悦子、綺麗でしたからね。
長渕文音は、母と同じ十代で映画主演デビューを飾り、お母さんと同じ道を歩み始めたのですね。
サラブレット、といえば聞こえはいいですが、親の七光りだけで、この映画の主役に抜擢されたというわけでもないでしょう。
何せ、馬術の映画とあって、馬術部所属に出演する役者にすべてにスタントなしで、馬に乗りこなすことが絶対条件だったようです。
お母さんの志穂美悦子も若い頃はJACで、イヤというほど乗馬の特訓やらされたでしょうね。


やはり、今はどうしても志穂美悦子の娘、という目で長渕文音を見てしまいます。
それは、長渕文音に限らず、比較されてしまうのは、二世タレントの宿命みたいなものですからね。
ちなみに今回の映画では、校長先生役で出演の松方弘樹は東映映画で母・志穂美悦子と何度か共演していますし、馬術部顧問役の柳葉敏郎は子供を出産したばかりの志穂美悦子と共演し、生まれて八ヶ月の長渕文音を抱っこ、したことがあるようです。






監督 佐々部清、出演 長渕文音、柳葉敏郎、奥村知史、西原亜希、小林裕吉、黒谷友香、吹越満、原日出子、松方弘樹 配給 東映 2008年10月公開 1時間54分
●ストーリー
馬術部二年生の菊池香苗(長渕文音)は早朝から夜まで馬の世話に明け暮れる毎日で、その中でも自分の担当にされてしまったタカラコスモス、通称コスモの世話にかなり手を焼いてました。
この馬、かつては競技会で名を馳せた名馬だったのですが、左目の視力を失ってから、その座を退き、香苗の学校の馬術部にやってきました。






このコスモ、香苗のいうことを全く聞きません。
香苗もいい加減イヤ気が差して、コスモが種馬として別の場所に移される時、見送りもせず仮病を使って部員たちとカラオケに行ってしまいます。
まあ、今どきの女の子ですから、そんな朝から晩まで馬の世話ばっかってわけにはいかないっしょ~
部活を引退した先輩を送り出した夜、高校生の馬術技能大会で優勝したエリート部員の賢治(奥村知史)の゛お前ら試合に負けたのに楽しそうだな゛の全く思いやりのない言葉に、香苗はプッツン!切れてしまいます
たちまち、香苗は賢治と口論になり、賢治の顔をひっぱたきます。






香苗にひっぱたかれた賢治もカーッとなり、女の子相手に取っ組み合いの喧嘩になってしまいます。
そのどさくさで、長渕文音の胸をムギュ~って、鷲づかみしてしまいます。
この映画、父親である長渕剛も試写で見ているそうですが、このシーンは眉間にしわがよったのでは・・・
自分も触ったことのない娘の胸を(当たり前か)、役の上といえ、よくも触りやがったな!ってピクピクしたのではないでしょうか。
あのお父さん(長渕剛)、ですからねぇ~


上の写真だと、まるで長渕文音が襲われているシーンに見えますが、ただの喧嘩のシーンです。
賢治は香苗とやりあって更に慢心したことで、悲劇が待っていました。






顧問の古賀先生(柳葉敏郎)不在中の練習で、賢治は他の部員たちと同じ低レベルでは練習にならない、といきなりバーを三倍の高さにして、名馬キングとともに挑戦してしまい・・・
それを飛べ切れず、体制を崩して人馬共に転倒していまいます。
名馬キングはその事故で、複雑骨折したようで、獣医の坂口先生(黒谷友香)は、゛手の施しようがない゛とのことでキングの薬殺が決定してしまいます。
どうやら、足に重大な欠陥ある馬は殺すしか道はないようですね。






顧問の古賀先生の推測によれば、転倒する前のキングは賢治の上に倒れないよう必死に踏ん張った・・為に無理な体勢で足を骨折したそうです。
もし、キングが賢治の体に倒れていたら、賢治も大怪我を負っていた。キング薬殺のショックを受ける賢治に゛キングにとって、お前は守るに値する奴だったんだ゛と慰められても、賢治は・・・
コスモみたいな、あんな目の見えない役に立たない馬、助けて、何でキングは助けなかったんだっ!
先生に噛み付いた次の瞬間、古賀先生の鉄拳が賢治の頬めがけて飛んできました。
馬はペットでねえっ!






以来、賢治も乗馬から遠ざかるようになり・・・
香苗はそんな失意の賢治が次第に気になり始めます。
とはいっても、ベタな青春映画と、それが恋に発展し、最後はチューで終わったりすると、これはまるで違う映画になりますので、そんなシーンは一切ありません。






それから、種付けが終えたコスモが帰ってきて、香苗たちはその新しい生命の誕生に立ち会います。
しかし、そのコスモの産んだ子馬も技術的な面から学校でずっと面倒を見ることができず、他校に引き取られることになり・・・
香苗は一大決心をします。
アタシがコスモの目になります。






何と、左目の見えないコスモで三年で最後の馬術大会に出させてほしいというのです。
獣医の坂口先生(黒谷友香)に猛反対されますが、古賀先生は香苗の熱意を汲み取り、それを叶えさせたいと逆に校長や獣医の坂口先生を説得させました。
幾度かの特訓を重ねて、大会当日になりましたが、コスモは怖がって障害をなかなか飛ぼうとしません。
そこに、引退した先輩・帆乃夏(西原亜希)によってもたらされたコスモ・コールが会場がひとつの輪になって響き渡り・・・
果たして、コスモは最後の勇姿を見せることができるのか!?


タイトルは凄い地味ですが、内容は決して地味ではありません!
いつの間にか引き込まれて、知らない間に涙が出てきてました。
意外(?)と、この作品、泣ける映画なんです。
これ映画館で見たらヤバかったですね。自宅なら、いくら泣いても人には見られませんからね。
かつて名馬だったのが、片目の視力を失ったことで駄馬になり、その馬の閉ざした心を一人の少女が溶かしていく。
まるで冬から春に移り変わるように・・・






言い忘れていましたが、これは実際にあった実話を元にしています。
映画はやっぱ、見てみないと良し悪しはわかりませんねぇ~
そして、長渕文音もまだまだお母さんの若い頃にはかないませんが・・・
キャリアを重ねて父の影を払拭してきた中井貴一や佐藤浩市のように・・・
長渕文音もまた、母・志穂美悦子の影を忘れるくらいの
大きな女優に成長している、そんな日が来ることを楽しみにしたいですね。
何事も成せば成る。
この映画を見終わってなんか、そんな言葉が浮かんできました。


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まぼろしの邪馬台国






吉永小百合が邪馬台国の卑弥呼になる!
この映画の製作発表時、スポーツ新聞などでそんな見出しが躍りましたが・・・
何てことはない、吉永小百合が目の不自由な夫と共に旅をして、邪馬台国の史跡を探す、という話です。
後半、イメージ映像で吉永小百合の卑弥呼が登場しますけどね。
もし、新解釈による吉永小百合の邪馬台国の卑弥呼の映画だったら、壮大な映画になったでしょうね。
過去に岩下志麻で卑弥呼の映画がありましたけどね。






監督 堤幸彦、脚本 大石静、 出演 吉永小百合、竹中直人、窪塚洋介、風間トオル、柳原可奈子、江守徹、麻生祐未、大杉蓮、余貴美子、由紀さおり、石橋蓮司、綾小路きみまろ、1時間57分 シネマスコープ
監督の堤幸彦は、昨年は「20世紀少年」の第一章と二章の二作品とこの作品を撮っていたのですから、昨年は一番忙しい映画監督だったでしょうね。
8月下旬に公開の新作、20世紀少年゛最終章・ともだちの旗゛は、その試写会ではラスト10分を短縮して、ともだちの正体を隠すそうです。






そんな不完全版なら試写回す意味ないぢゃん!って気がしますけとねぇ~。
これはいろいろと物議を醸すと思いますよ
20世紀少年は原作のコミックがあって、既に完結しているので、それ読めばともだちの正体がわかるのでは!?
まさかマスコミ向けの試写でもラストを隠した不完全版を上映するとも思えないですけどね・・・
まあ、そんな別の映画の話はともかくとして・・・






●ストーリー
昭和32年、博多。主人公・和子(吉永小百合)はラジオ番組のパーソナリティーの仕事で、島原鉄道の社長の宮崎康平(竹中直人)に出会います。
その社長は目が不自由で見えないのに加えて、かなり強引でわがままな性格で、いきなりバナナが食いたい!と部下(風間トオル)に命令するも、ありません。
昭和30年代はバナナは高級品だったようです。
今じゃ、バナナなんて喜ぶ子供なんていませんけどねぇ~
和子はすぐさま下に降りて、強引にそのバナナを調達してきます。
次第に和子は、その宮崎に不思議な魅力を感じ始めます。






この映画の舞台は、九州の島原。
島原といえば、そうめんですね。これから暑くなるから、食欲の落ちた時は、やっぱそうめんですねぇ~
ところで、この島原鉄道の宮崎という社長。とにかくワンマンで部下のいうことを全く聞かない。
島原地方に大規模な集中豪雨で鉄道も流されて、その復旧工事を急がなきゃいけないのに、その合間に邪馬台国遺跡の発掘なんかやってたりする。
いわば、邪馬台国おたく、なんですねぇ~
そんな、どうしようもない社長だから遂に役員たちから解任決議を取られて会社を追われてしまいます。






小さな子供たち二人連れて、島原駅で途方に暮れる宮崎は、駆けつけてくれた和子に涙こぼしながら・・
来てくれんね・・・と懇願し、和子もその様子を見て、宮崎の事実上の妻になることを決意します。
結果的には、和子にとって゛婚活゛みたくなりましたが、それが果たした時に夫は無職ですからね。
今の時代なら、そんな男についていく女性などいないでしょうけど、昭和を生き抜いた女性にはそんな前途多難を承知の上で飛び込んでいく人もいたのですね。






ちなみにこの映画も実話を元にして作られています。
しかし、この宮崎という社長は父の代の会社を引き継いだボンボンですね。
金は天下の回りものたい!と、何とでもなるようにしか考えていないのですから。
当面の生活費しかないのに、当時としては庶民には手か出なかったテープレコーダーを買ってこいというのです。






夫は金銭感覚がまるでない、のですから、その奥さんの和子は生活費の工面で苦労させられます。
そんな和子も、ついには切れて折角、夫のかつての部下(窪塚洋介)が差し入れてくれた、当時としては貴重な卵をわがまま夫にぶつけたりします。
そういえば、柳原可奈子もこの映画で出ています。島原観光のバスガールという役柄で、窪塚洋介と恋人関係になったりします。
あの゛いらっしゃいませぇ~゛の芸風は一切封印しています。
だったら、キャラ的に他の子でもよかったような・・・監督が気に入ったから出演させたのでしょうね。






綾小路きみまろ、もこの映画に出ていますが、どこで出てるかと思えば・・・
ツケの利かなくなった蕎麦屋で、吉永小百合に自分の食べかけの雑煮の汁を持ってけばと薦めるシーンで、おばさん役で出ていましたね。
いくら金に困っているからといって、そんな食べかけの汁なんかいるかーっ!って感じです。






次第に和子も夫の邪馬台国の研究に力を貸しているうちに、和子は自分たちの足で邪馬台国の跡を巡ればと提案し、宮崎夫妻の邪馬台国を探す旅が始まります。
やがて、夫・康平と妻・和子が記した゛まぼろしの邪馬台国゛の本が出版され、第一回吉川英治賞を受賞します。
その出版で昭和40年台は、邪馬台国ブームに・・・
更に妻・和子と旅を続けた康平は遂に邪馬台国の卑弥呼がいた場所にたどり着きそうになり・・・
旅路の果てに康平の見えない目に、見えてきたものとは!?






昭和の古き良き女を演じさせたら、やっぱり吉永小百合が一番!ですね。
優しくて尚且つ、気丈な母の役は、吉永小百合の定番みたくなっています。
それにしても若い。もう還暦を越えたとは、まるで見えないですね。
吉永小百合の若い頃を知っている方は、年を取ったと感じるでしょうが、若い頃を知っている方も同じだけ年を取っているわけですしね。
ただ、吉永小百合は自分たちと同じ時間が流れてるとは思えないほど、若く見えますね。
できれば、もっと邪馬台国の実写シーンをもっと多くしてほしかったような気がしますが、夫婦愛が心に染みる、しみじみいい映画です。
吉永小百合の次回作は来年1月公開の山田洋次監督の「おとうと」です。
昔、市川 崑で映画化(1960年)されたリメイクのようです。
なんと今度は笑福亭鶴瓶と姉弟役です。どんな映画になるか次回作も楽しみです。

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GOEMON
今回は、新説(?)石川五右衛門の伝説的ヒーロー映画ですっ!
とは言っても、監督はあのCASSHENの紀里谷和明ですから、傑作というわけにはいきません。
宇多田ヒカルの元・夫だったと言ったほうがピンとくる方も多いのでは。
こんな時代劇見たことがない!
というのが、この映画の宣伝コピーでしたが、裏を返せば、゛こんなの時代劇ではないだろう゛といった感じでした。
まあ、時代劇なんて結果さえ合わせれば、何でも有りの世界が描けますからね。
かつての時代劇の東映でさえ、家光の首を飛ばしたり(柳生一族の陰謀)、家康の首も飛ばしたり(真田幸村の謀略)しているのですからね。
ある意味、ケッコーツッコミどころ満載な映画でした!?
監督 紀里谷和明、脚本 紀里谷和明、瀧田哲郎
出演 江口洋介(石川五右衛門)、茶々(広末涼子)、要潤(石田三成)、大沢たかお(霧隠才蔵)、ゴリ(猿飛佐助)、奥田瑛二(豊臣秀吉)、紀里谷和明(明智光秀)、佐藤江梨子(吉野太夫)、寺島進(服部半蔵)、伊武雅刀(徳川家康)、玉山鉄二(又八)、平幹二郎(千利休)、中村橋之介(織田信長)
2時間8分
●五右衛門は織田信長配下の忍びだった
五右衛門は少年時代に信長に拾われ、忍びとして育てられたという設定です。
その織田信長の下で、五右衛門の同期に忍びとして育てた仲間に、霧隠才蔵(大沢たかお)がいます。
織田信長(中村橋之介)が本能寺の変で横死した後は、五右衛門は盗賊になり、才蔵は三成配下の忍びになり、武士になることを夢見ます。
尚、五右衛門の泥棒仲間に猿飛佐助(ゴリ)がいて、佐助はやがて徳川家康に取り入ります。
でも、この猿飛佐助は忍びでも何でもなく、ただの盗賊で余りにも弱過ぎです。
えーっ!?霧隠才蔵が三成の手下で、猿飛佐助が家康配下になる・・・
なんぢゃ、そりゃ!?
本来なら、二人は真田幸村配下の真田十勇士ですからね。これ、ムチャクチャな設定ですよ。
でも、霧隠才蔵も猿飛佐助も明治時代の立川文庫で生まれた架空の人物で、実在はしてませんからね。
でも、この名前を使うことないんじやないのって気がしますよ。 本当なら、両者とも、反家康側にいるキャラですからね。
この映画では、二人の本当の主人の真田幸村は残念ながら登場しません。
●本能寺の変は、秀吉の策謀だった
明智光秀が本能寺の変で主・信長に反旗をひるがす前、連判状に秀吉の名前もあり、秀吉は光秀が遺したその連判状を必死に奪おうとします。
燃える本能寺を遠くから見ている明智光秀を背後から、秀吉が自らで暗殺。天王山といわれた山崎の戦いは描かれていません。
この本能寺、秀吉謀殺説はこの映画だけではなく、歴史研究家でもささやかれた説で興味深いものがありますが、山崎の戦いを描かないのでは、秀吉の天下取りの大義名分が立たないのではという気がします。
その山崎の戦いは主・信長の仇討ちであり、それが果たしたおかげで秀吉は天下取りができたわけですからね。
その明智光秀役を、監督の紀里谷和明が自ら演じているそうです。
●茶々と五右衛門は幼なじみ
後に秀吉の側室となる信長の妹・お市の方の一の姫・茶々、後の淀君ですが、五右衛門とは子供時代を一緒に過ごしたという設定で、お互いに密かに思い合っています。
でも、秀吉の側室になった茶々(広末涼子)は、こ映画では秀頼を産んではいません。
この映画では、秀頼が誕生しないままで、秀吉は暗殺されます。
それでは大阪の陣が起こらないでは・・・
秀頼が存在しないのでは、後に起こる関ヶ原で石田三成が挙兵する大儀名文も立ちません。
本来なら、関ヶ原の戦いは三成にとって、天下取りの戦ではなく、主家・豊臣家を守るための戦いですが・・・ この映画で出てくる石田三成は権力の塊の、徹底悪でしたけどね。
史実では、三成は盟友・直江兼続と同じく、゛義゛に殉じた武将でしたからね。
●釜茹での刑は別の人物だった
この映画の釜茹での刑になるのは、五右衛門ではありません。
五右衛門にとって、秀吉は主・織田信長を謀殺した憎むべき仇てすから、何度か秀吉暗殺を試みますが失敗してしまいます。
ある人物が捕らえられ、五右衛門の身代わりとなって釜茹での刑にされます。その人物は、大きなネタバレになりますので伏せます。
しかし、この釜茹でのシーン、秀吉自らが刑を執行してます。
秀吉のような権力者は、普通は離れた場所から見ている筈です。
第一、自分がほうりこんだら、煮えたぎった油が自分にはねて、危ないでしょう。
釜茹での刑は湯ではなく、油で生きながら人間を唐揚げにした実に残酷な刑だったそうですね。
その煮えた油釜に放り込んでも油が全くはねない、このシーンはリアリズムのカケラもないですね。
●関ヶ原に布陣したのは三成VS家康軍、だけ
その後、ある者が秀吉を暗殺し、石田三成が挙兵して関ヶ原に突入しますが・・・
何故か、関ヶ原に対峙するのは三成と家康軍のみです。
他の名だたる武将は一切出てきません。三成に過ぎたるものありと謳われた、三成配下の猛将・島左近すら登場しません。
ここら辺も余りにも省略し過ぎですね。
それに、三成軍だけでは家康の敵ではないですよ。三成と家康では禄高が十倍以上違いますから、戦力が余りにも違い過ぎます。
そして、その戦いの中を、たった一騎で三成軍に突き進む五右衛門。
これで五右衛門の戦いは、ようやく終わるのか!?
なんかゲームのような時代劇でしたね。
どうせゲーム感覚なら、今大河で話題の直江兼続や伊達政宗、真田幸村、更には前田慶次らを登場させて・・・
群雄割拠の壮大な物語にしてくれたならば、もっと血がたぎる時代劇になったのにね。
それではGOEMONの映画では、なくなっちやいますけどねぇ~
最初登場する五右衛門のコスも余りにも現代ぽくて、とても安土桃山時代のいでたちではありませんね。
それに江口洋介の五右衛門の髪型は、現代人そのもので、なんかタイプスリップした人間が五右衛門に成り代わっているという風にしか見えなかったです。
そんなに期待した映画ではなかったのですが、やっぱりなあ~、という出来でした。
荒唐無稽は時代劇の専売特許みたいなものですが、この映画は余りにも飛び過ぎてます。
それはそれで面白い部分もありますが、ほとんどのシーンがCGに頼り過ぎのような気がします。
制作費はかかる問題があるでしょうが、やはり実写で人馬が混じっての、合戦シーンが見たいものです。レッドクリフみたいにね。
ビジュアル面だけを追求するだけでは、決して良いエンターティーメントにはならないという、悪い見本のような映画になったような気がします。
設定としては面白い。ただそれだけの映画でした。
この紀里谷という監督、またワースト映画として叩かれるのを承知の上で挑んだとしたら、それは潔くもありますけどね。
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K-20 怪人二十面相伝






怪人二十面相は誰だ!?
それは、主演の金城武じゃない!?
なんて予想していましたが、金城武はダミーのような存在でしたね。
ミイラ取りがミイラになる、という点では、あながち外れてもいないような・・・
そんなの有り!という意外な結末が待っていました。そのネタバレだけは、絶対にしません!






監督・脚本 佐藤嗣麻子、脚本・VFX協力 山崎貴 出演 金城武、松たか子、仲村トオル、益岡徹、國村隼、高島礼子、鹿賀丈史 2時間13分 シネマスコープ
ALWAYS三丁目の夕日のスタッフが再び集結、ということですが、その映画の監督の山崎貴がこの映画にも加わっていたのですね。
どうせなら監督もやれば良かったように思いますが、クレヨンしんちゃんの実写版映画の方で忙しかつたのでしょうか。
しんちゃんの実写版といっても、、山崎貴の次回作「BALLAD(バラッド)―名もなき恋のうた―」は、昔のしんちゃん映画「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」を原案にしているというだけ、みたいですけどね。






●ストーリー
1949年、帝都東京。第二次世界大戦が回避されたという設定です。
その代わり、身分制度が残り職業選択の自由がなく、貧富の差が広がり格差社会になっていました。
サーカスの花形スター・遠藤平吉(金城武)は、あるジャーナリストから名探偵・明智小五郎(仲村トオル)と羽柴財閥の令嬢・葉子(松たか子)の結納の儀をカメラで撮影して来てほしいと依頼されます。






平吉は特技を活かして屋上に登り、ガラス越しに撮影を試みた時にドンという衝撃音が出て、警備の警察隊に見つかってしまい、怪人二十面相と間違えられて捕らえられてしまいます。
いわゆる、依頼主にまんまとハメられたのですね。
いくら警察に事情を話しても、信じてもらえません。身柄を護送される途中の橋で、爆発が起き、その隙に平吉は逃亡することに成功します。






しかし、逃亡したことで平吉は完全に怪人二十面相として指名手配されてしまいます。
本物の怪人二十面相の罠にはまってしまった平吉は取り合えず、サーカス団のからくり師・源治(國村隼)の元で身を隠します。
そして、自ら怪人二十面相を捕まえるべき、飛びの技と変身の術を源治から手ほどき特訓します。
そんなさなかに、明智の婚約者・葉子の前にも怪人二十面相が現れ、平吉は二十面相から逃げる葉子を助けます。






次第に葉子も平吉に惹かれ始め、婚約者・明智と共に本物の怪人二十面を捕まえることに協力していきます。
しかし、意外な結末が彼らに待ち受けていました!?
簡単なストーリーはこんな感じですね。
怪人二十面相といえば、ダークヒーローですが、彼は決して人を殺したり傷つけたりはしないキャラでしたよね。
そういう意味では、ルパン三世、にも似ているような気がします。






この映画の原作は、あの江戸川乱歩です。でも、こんなラストにしていいの?って感じでしたね。
乱歩の盟友・横溝正史の金田一耕助を・・・にするようなものですからね。
金田一耕助モノで、この映画のことのようなことをしたら喧々ゴウゴウたる非難が出そうですけどね・・・
まあ、乱歩の明智小五郎物はどちらというと戦後の子供向けに出された探偵小説ですからね。
明智小五郎VS怪人二十面相物は、乱歩独特の怪奇はあっても、猟奇的事件はなかったはずです。






この映画も、GOEMON同様、CGを駆使したVFX映画ですね。
ただ、GOEMONと決定的に違うのは、CGだけでなく、ちゃんと戦後の昭和のセットを作ってるんですね。
やっぱりいくら技術が発達しても、本物の質感には敵わないと思います。そこらヘンは、このROBOTチームには、こだわりがあるようです。
ハッピーフライトだって、あのANAの飛行機はCGではなく、模型を作って飛ばしてますからね。






上の写真にあるように、怪人二十面相の正体って鹿賀丈史!?
いえいえ、違います!
鹿賀丈史は映画の中で至るところで、仮面を取った怪人二十面相で登場していますからね。
そんな謎解きを映画の中盤でするわけないですしね。
怪人二十面相はさまざまな人間に化けます!






どちらかといったら、この映画のタイトルは、怪人二十面相・外伝のほうが正しいような気がします。
主演の金城武は、怪人二十面相の罠によって怪人二十面相に仕立てられた、いわゆる偽・怪人二十面相ですからねぇ~
まあ、江戸川乱歩の明智小五郎映画としては、異色の描き方をしていますからね。






ラストのどんでん返しがアッ!と息を飲む(?)娯楽作に仕上がっていますよ。
今日、何見ようなと迷った時に最適な映画かもしれません。
単純に見て楽しめる映画ですから。
個人的には山崎貴の次回作が気になります。
主演は、あの草なぎ剛とガッキー(新垣結衣)ですから・・ね。

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ターミネーター4






どこで誰が、未来を変えたのか?
2003年のT3から6年が経ち、これがその続編となるT4のコピーですが・・・結局、何も未来は変わっていません。
T2で審判の日は回避したように思わせて、T3ではそれが回避できなかったというつながりでしたよね。
新作T4では、その回避できなかった審判の日以後の機械軍・スカイネットと人類の生き残り組・レジスタンスの初期の戦いを描いています。
本来のこのシリーズの主役であるべきジョン・コナーを主としたストーリーな割りには、出番は意外と少なかったですけどね。






監督 マック・G、出演 クリスチャン・ベイル(ジョン・コナー)、サム・ワーシントン(マーカス・ライト)、ブライス・ダラス・ハワード(ケイト・コナー)、アントン・イェルチン(カイル・リース)、ムーン・ブラッドグッド(ブレア・ウィリアムズ)、コモン(バーンズ) 1時間54分 シネマスコープ
監督はT1&T2のジェームス・キャメロンからT3のジョナサン・モストゥ。今回のマック.Gと変わりました。
どうやら、新シリーズとしてT5、T6と続く予定のようですが、あくまでも今回の興行の成功次第ということなので、微妙なところかもしれませんね。






●ストーリー
ある男の死刑が執行されようとしています。その男は、静かにその運命を受け入れます。
その男の名は、マーカス・ライト。のちにジョン・コナーと大きな関わり合いを持ちます。
時は2018年。審判の日を回避できなかった人類は、核爆発で全世界が壊滅的な打撃を受け、機械軍スカイネットが支配する世界になりました。
その中で人類の生き残りがレジンスタンスという軍を組織し、スカイネットと熾烈な戦いをしていました。
その中で部隊長として、あのジョン・コナーが着任していました。






この時代、ジョン・コナーはまだリーダーではありません。コナーは、帰還した基地で亡き母、サラ・コナーの写真を見ながら、テープから流れる母の声を聞いていました。そのテープの中身で母は・・
あなたは父親と出会う必要がある。彼はあなたより年下で、今は十代のはず。でも、カイルを送らないと、スカイネットとの戦いには勝てない。
ということは・・このT4で描かれる2018年は、ジョン・コナーが、カイル・リースを過去に送る前の時代、ということなのですね。






一方、死んだはずのマーカス・ライトが廃墟の街を彷徨い、ターミネーターの攻撃に合い、そこで少年の日のカイル・リースと出会います。
一旦はターミネーターを破壊したものの、更なる大きなターミネーターが現れ、逃走するも、カイル・リースとその妹をスカイネットに囚われてしまいます。
一人立ち尽くすマーカスの前に、落ちたパラシュートにぶら下がるレンジスタンス軍のブレア・ウィリアムズを助け、ブレアにコナーと会うことを薦められます。
しかし、マーカスはコナーの元に向かう途中で地雷に足をかけてしまい・・・






地雷を踏んで負傷したマーカスは、コナー軍で治療されましたが、治療しているうちに驚くべき事実が判明しました。
マーカスは既に人間ではなく、機械の体になっており、心臓と脳だけが人間の物でした。脳はチップにつながっていました。
マーカスは人間ターミネーターでした! (人間の細胞を融合させたターミネーター第1号です)
その事実はマーカス自身知らなかったようで、この時初めて自分の体の構造を知ったようです。
それを知ったコナー側は、マーカスをスカイネットの手先として吊るし上げ尋問します。
果たして、マーカスは敵か味方、どちらなのか!?
スカイネットに囚われているコナーの未来の父・少年カイル・リースの運命は!?
コナーの未来は変わってしまうのか?
ストーリーはここまでで止めておきます。これから見に行く方もいるでしょうからね。
このT4、評価は賛否両論だそうですね。個人的には、かなり微妙でしたね。
興行的に本家・アメリカでは苦戦しているみたいです。日本でも、これまでのような大ヒットにはならないでしょうね。
シュワちゃんは、後半少しだけ出てきます。それもCG合成の若い頃の姿でね。
若い頃の合成CGですから、ムキムキマンなんですよ。
州知事となった今では、もうそんな体ではないでしょうけどね。
やはり、このシリーズはシュワちゃんあって成り立っていたように思います。
シュワちゃんが顔見せ程度しか出ないのでは、盛り上がりに欠けるような気がします。
それは、ないものねだり、に過ぎないのでしょうけどね・・
それに、先行して放送されているスピンオフドラマの「サラコナー:クロニコルズ」と全く関連性がないようです。
そのドラマで登場する、ジョン・コナーの叔父、デレク・リース、つまりはカイル・リースの弟ですが、その人物はこの映画では登場してませんからね。
そのスピンオフドラマの、コナーが恋をする美少女ターミネーター・キャメロンも登場しませんし、そんなに関連性絶たなくても、という気がしますよ。
少しだけでも、キャメロンちゃん、登場させてほしかったなあ~ (サラコナー、クロニコルズは当ブログのサラコナークロニクルズをクリックして下さい)
その割には、このT4でのコナーの妻になっているケイト・コナーは、T3ほどの存在感はなかったですね。
別にスカイネットのターゲットはコナーの未来の父・カイル・リースにしなくても、手ッ取り早く未来の指導者のジョン・コナーを抹殺すればいいのに、と思っちゃいますねぇ~
ちなみにこの映画に出てくる、ターミネーターは旧式・T-800型です。この映画で登場する新型はモトミネーター(バイク型ターミネーター)ぐらいですね。
T2に出てきた液体金属T-1000は、T5に登場する予定のようです。
この時代にT-1000が出てきたら、コナー側は手も足も出ないでしょうね。
一応、上半期一番(?)の話題作ですから、そんなに期待し過ぎなければ、それなりに見所のある大作ですね。
特にターミネーターを見続けているファンの方には、見逃せない新シリーズ第一作です。
本作では結局、スカイネットとの戦いは終結せず、続くで終わるのですから、やはり次のT5が気になります。
この映画でもジョン・コナーはあの名台詞をキメます。
I`ll be Back!


