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愛のむきだし LOVE EXPOSURE・前編
237分の衝撃!行き着く果ては〈愛〉か〈狂気〉か!
今回は、インディーズ映画です。でも、この監督は、園子温ってケッコー有名な映画監督です。
その監督の作品で、最近の有名な作品で「紀子の食卓」があります。
今年の一月に単館ロードショーされ、その後で新宿のK's cinema等で拡大公開されたそうで、知っている人は知っているという映画かもしれません。
でも、これが意外と面白い映画というより、ガツン!!と心に刺さる映画だったので、取上げたくなりました。この映画は、実話を元に映画化しています。
主演は人気音楽グループAAAのボーカル・西島隆弘です。
20年ほど前に監督の知り合いが盗撮のプロになり、その妹が新教宗教に入り、妹をその団体から脱退させた、という事件があったそうです。
何せこの映画、4時間近くありますので、二本分の映画を見た気分になりました。写真もおのずと多くなりましたので、また前・後編に分けます。
映画自体も前編と後編の二部構成になっていますから。
映画のタイトルも初めて聞く、という方もいらっしゃると思いますが、どんな映画かキャプ写真等でご覧になってく下さい。
尚、この記事のキャプ写真は2011年7/14に拡大表示(一部)のリニューアルしました!
この続きは、下の追記を読む、からご覧下さい。
愛のむきだし LOVE EXPOSURE・後編

軋み始めた"愛のむきだし"
辿り着く先は狂気の愛か!?それとも奪還の愛か?






さて、後編に入ります。またストーリーを追っていく形を取りますが、途中で切ることになります。
DVDリリースされたばかり作映画ですから、ラストのネタバレはタブー、ですからね。
尚、この後編も2011年7/14に一部のキャプ画像リニューアルして、画像を新たに追加しました。
(最初の一部画像は前の小さいままです)
それでは、この続きは下の追記を読む、からご覧下さい。
少年メリケンサック
好きです!パンク!嘘です!
今回は、クドカン(宮藤官九郎)が脚本だけでなく、監督までした、宮崎あおい主演のドタバタ炸裂コメディーです。
この映画、多分面白いんじゃない、と友達に薦めといて、意外と最初見た時はそれほどでもなかったのですが・・・・
2度見てみると、あれれ・・・やっぱり、クドカン! これってやっぱ面白いんじゃないって思えてきました。
やっぱり、映画は集中して見ないと、ダメですねぇ~
2009年2月14日 東映系公開
原作・脚本・監督 宮藤官九郎
出演 宮崎あおい、佐藤浩市、木村祐一、田口トモロヲ、三宅弘城、ユースケ・サンタマリア、勝地涼、 ピエール瀧、哀川翔
2時間5分 ビスタサイズ
●ストーリー
栗田かんな(宮崎あおい)は、某レコード会社の契約社員の崖っぷちOL。
契約満了で実家の回転寿司を手伝うつもりが、動画サイトで、アクセス急上昇の少年メリケンサックの動画を見つけ、社長の時田(ユースケ・サンタマリア)に報告します。
その動画はパンクロックで、社長の時田も実は若い頃、そのパンクロックをやっていました。
俺はこういう下品な奴らが・・・大好きなんだよっ!
かくして、かんなの契約期間は延長され、その伝説のロックバンド、少年メリケンサックを探します。
パンクに全く興味のないかんなは、恋人(勝地涼)のデモCDを社長に聞かせますが、ポップス大嫌いな社長に、すぐに廃棄処分されます。
ネットで少年メリケンサックのネットのプロフに連絡先が明記されており、社長の時田は、すぐに電話するようにかんなに命令しますが・・・
いやあ~、アタシ、心臓バクバクしてんだもん。
どれどれ、と社長の時田はかんなの胸に手を置き・・
お~っと!ユースケ、宮崎あおいの胸を触ってるぅ~
役の上といえ、ユースケは役得ですねぇ~まあ、軽くタッチという程度ですけど。
何とか少年メリケンサックのリーダーの秋夫(佐藤浩市)に会うために、立ち呑み屋の二階の座敷に行くと、そこには・・・
髪、ぼさぼさ。ヒゲ伸び放題の、まるで浮浪者のような汚いおっちゃんがいました。
ネットにある写真を見せると・・・あ、それオレ、オレに間違いございません。
違います。と、かんなはそのおじさんに問いただしてネットを見てみると、83年って書いてあるぢゃん!
かんなはてっきりその秋夫たちが1983年生まれと勘違いしていましたが、1983年というのはそのバンドの解散ライブの年だったのです。
何とネットに配信された映像は、25年も前の映像だったのです。
すぐに社長の時田に電話を入れると、その少年メリケンサックの動画を自社のホームページにアップしたら、アクセスが殺到して既にツアーを企画していました。
振り返ると、二日酔いで吐きまくっている50過ぎのオヤジがそこにいて・・・
無理!無理!無理!と社長に返しても、契約が出来なかったら、お前の契約も切れるぞ!、と脅されて・・・
秋夫は、その気になって再結成する代わりに昔のオリジナルメンバーを集めろと、かんなに条件を出します。
秋夫に条件を出されて、かんなは仕方なく昔のメンバーの元に声を掛けに出向きます。
手始めは、秋夫の弟のベース担当の春夫(木村佑一)の地方の田舎に出向きます。
春夫は地道に酪農で牛を飼って、音楽から足を洗っていました。
しかし、佑一は自分よりも兄の春夫に先に声に掛けたのが気に入らないらしく・・・
足元にある牛糞を、かんなの顔面にかけてしまいます。
ああ、顔半分、牛糞まみれになってしまうかんな・・
そんなひどい目に遭いながら、配信されている動画のアクセスは10万を越えて、かんなは益々、引くに引けない状況になります。
いつしかそのバンドのマネージャー的な存在になり、何とか昔のメンバーを揃えてスタジオを借りて練習することになります。
久々にに音合わせしますが、あまりのひどさに・・・
こんなんじゃ、文化祭にも出れません!とただただ呆れます。
そこに春夫が現れて再会する早々に兄の秋男と火花を散らします。この兄弟、決して仲は良くないどころか、最悪です!
秋夫と春夫、この二人は昔からステージに立つと、ヒートアップして、必ずライブの真っ最中にケンカしていました。
そのケンカが、このバンドのステージのウリ、にもなっていましたが・・
その仲裁に入ったボーカルのジミー(田口トモロヲ)は、二人の振りかざした楽器をモロ頭に受けて、その後遺症で頭がおかしくなっていました。
そんなメチャクチャなバンドを引き連れて、かんなは実家の寿司屋から車を借りて地方のツアーが名古屋からスタートします。
果たして、伝説の少年メリケンサックは復活となるのか!?
今回も新作映画なので、ストーリーの紹介はこれで一応(?)終わりです。
この映画で一番笑えたシーンは、ユースケ演じる社長が、初めて少年メリケンサックの実物見て、
゛これじゃ中年メリケンサックじゃん!と嘆く場面です。
いい年こいたおっちゃんたちが、若い女の子に引っ張られて昔の夢を追う。これ自体が、もうコメディー以外の何物もないでですね。
バンドのリーダー・秋夫の好物は焼き飯。 いわゆる炒飯とは違うようで、ファミレスで出されたチャーハンを差して、゛これは焼き飯じゃないだろっ!゛と店員に噛み付きます。
かんながまたその間に入って゛炒飯は焼き飯ですっ!゛と秋夫に言い含めますが・・・
これは秋夫が言うように、チャーハンと焼き飯は、似て異なるものだと思いますよ。
その違いを説明するのは、難しいですけどね。醬油だけで味つけした素朴な純和風なのが、焼き飯なのかな?
昔、よくボクらの祖母たちは、炒飯と呼ばず、焼き飯と呼んでいましたね。
ちょっとしたことですが、このクドカンの昔の味に対するこだわりは、なにか妙に懐かしかったですね。
やはり寄る年波には勝てない、おじさんバンド。体力面より、気力の方から崩れていきます。
そこで、リーダー・秋夫がメンバーに一喝にした台詞がちょいとグッときました。
ガキに笑われて、今更カッコつけてどうすんだ!やらなきゃ収まらないんだ!立てーーっ!
50過ぎたおっちゃんが吐く言葉にしては、熱すぎますけどねぇ~
流石はクドカン!ただ、笑えるだけの映画にはしていないけど、別におっちゃんたちのサクセスストーリーってわけでもないですけどね・・・
やっぱり、このおっちゃんバンドも一応パンクですから、歌詞はちょっと過激です。
最初は、ジミーもロレツが回らないせいか意味不明でしたが、書いた本人の春夫に歌詞を渡され、あおいはそれを見て・・ビックリ!
こんなのインディーズでも出せないよぉ!
これ、テレビ放送の際には、ライブシーンは、そのまま流しても大丈夫なのかな?
でも、妙に耳に残るんです。
♪撲殺!撲殺!撲殺!農薬飲ませろ!
まっ、たいしたことはないか・・・
う~ん、それにしてもこの映画の宮崎あおいは、かわいいっ!
今まで、特別の彼女のファンでもなかったのですが、この映画の中の宮崎あおいは、実に表情豊かで楽しませてくれます。
丁度、NHKの大河ドラマ「篤姫」を収録中で、ダメ元で出演を打診されて、その大河収録の合間を縫って撮影されたようですね。
ヒロインが魅力的だと、その映画も輝くのですっ!
この作品は、宮崎あおいで成り立っている映画とも、言えます。
やはりクドカンが撮ると面白いエンターティメントになります。
誰だ、最初につまんないみたいな、こと言った奴は・・・・ひたすら、猛省しています・・・
映画は二度見て、その良さが判る、のかな?
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ジェネラルルージュの凱旋
チーム・バチスタ事件から一年。始まりは謎の告発文。
謎に包まれた、通称゛血祭り将軍゛の一人の救命医。
彼はシロか、クロか?
昨年の「チームバチスタの栄光」の続編です。前回の映画は医療過誤の審議の裏に麻酔科医の快楽殺人があったという映画でしたね。
去年、秋にはフジテレビの連続ドラマになりました。
シリーズ物の続編は、普通は前作を上回れないというジンクスがありますが、個人的には今回の新作の方が面白かった、ですね。
今回の新作は、前回同様に殺人事件が出てきますが、医療過誤とはまったく別の医療メーカーの癒着の真相がメインテーマになっています。
最後のネタバレだけはしませんので、安心して(?)
下の方にある追記を読む、からお進み下さい。
クローズZEROⅡ


負けっぱなしじゃ、終われねぇっ!
高橋ヒロシ原作の人気コミック「クローズZERO」の映画化第二弾です。
主演の小栗旬は、ついこの間までNHK大河「天地人」で41歳の石田治部少輔三成を演じてたと思えば、またまた高校生役をやっていますね。
小栗旬も今年で26歳。高校生役も流石にそろそろ限界に来ています。
監督は三池崇史で、今回の映画はシネマスコープで撮っています。
でも、この三池崇史は今までずっとビスタサイズで撮ってきてるためか、横長ワイドのシネマスコープを思う存分に活用しているとは言えず、結構画面の左右に余白があることに気付きました。




かつての黒澤明の名作「赤ひげ」などは、二人の役者を画面の両端に置いて、トリミング不可能な構図で撮っていました。
左右を切れるものなら、切ってみろ的な巨匠の仕事です。
だから、この「赤ひげ」はテレビ放送の際には、上下黒フチ付きの

今回の映画は、そのワイド画面を生かしたいので、写真はシネマスコープサイズにしてみました。
このブログでのシネスコ画像は、初めての試みだったので、何度かテスト公開して削除を繰り返したせいで、また前回の101回を間違って削除したりするミスが起きて、手間取りましたけどね。
PCモニターがワイド画面なら、画像は横二列並びになると思いますが、そうでないモニターには縦四列で並んでしまいますが、今回だけはご容赦下さい。
ここのFC2は、最近やたらとサーバー障害が起きていて、一部の文章が勝手に違うところに飛んだりしています。気付いた時には修正してありますので、一部の方には読みづらくなって申し訳ありません。






2009年4月14日 東宝系公開
監督: 三池崇史
プロデューサー: 山本又一朗、原作: 高橋ヒロシ
脚本: 武藤将吾
CAST
小栗旬、黒木メイサ、やべきょうすけ、三浦春馬、山田孝之、金子ノブアキ、高岡蒼甫、 深水元基、桐谷健太、上地雄輔、 小柳友 、遠藤憲一、岸谷五郎
2時間13分 シネマスコープ




●ストーリー
一人の男が少年院から出所してきます。それが鈴蘭と鳳仙学園との新たなる抗争の勃発でした。
前回の戦いでリンダマン(深水元基)との頂上決戦に敗れた源治(小栗旬)は、その鈴蘭の不良グループを束ねることができずにいました。
しばらくの間、鈴蘭と鳳仙は停戦協定を結んでいましたが、鳴海大我(金子ノブアキ)という男の出現で、それは次第に破られてしまいます。
滝谷源治の前に出現した二人の男。そして、ヤクザである源治の父親(岸谷五郎)が何者かに襲撃されて、暴力団同士の抗争にも発展していきます。
果たして、この危機を源治はどう乗り切るのか!?






今回のストーリーの紹介は、これで終わりです。新作ですからね。101回のように、最後まで詳しくネタバレするわけにもいきません。
それに、ストーリーを詳しく紹介するとなると、何回もDVDを見直さなければいけないので、今回はパスです。
新作映画で最後どうなったかなんて、それを言っちゃおしめぇよっ!でしょ。
例によって途中、少しかいつまんではいきますけどね・・・




●意外と滝谷源治は草食系男子(?)
高校生といえば、やりたい盛りで性欲は充満している年頃ですが、小栗旬の滝谷源治はそうでもないみたいです。
黒木メイサ演じるルイに一応は、゛やらせろ゛と迫るくせして、あっさり゛いいわよ゛と言われると・・
゛いや、今日は腰が痛たかったんだ゛とすごすご帰るなんて・・・
だらしねぇーーっ!
十代の頃なんて、そんなOKサイン出たときは、もう下半身はテント張っているのが普通っしょ。
黒木メイサみたいな、いい女がいいよって言ってるんだから、ガッツリ!いきなさいよぉ~
そういう意味では、滝谷源治は、意外と今ドキの男子高校生ですねぇ~
●本作品の小栗旬の眼が優しい
今回の映画の小栗旬の役は不良のリーダーですら、もっと凄みがあってよかったんですけど、意外と穏やかな目をした役ですねぇ~
TBSのドラマ「スマイル」では、主役の松本潤を苦しめた不良の元リーダーで、そっちの役の方がキレまくって凄みがありましたね。
なにせ、そのドラマで松潤やガッキーを足蹴にしてましたから・・
小栗旬というば、名前の通り、今が旬の役者でいろんな映画やドラマに今、引っ張りだこです。
でも、やはり石田治部少輔三成だけは若さが出て、とても41歳の武将には見えなかったですね。
三成の屈折した孤独感は、よく出ていましたけどね。
それにNHKは相変わらず描き方が手ぬるいです。関ヶ原の途中で裏切った小早川秀秋に石田三成が、逃がしてくれと命乞いするなんて、ありえないっしょ!
まあ、そんなことはともかく、天地人で盟友・直江山城守兼続を演じた妻ブッキーと並んで、若手俳優の中で 、期待されている若手男優の一人ですね。
●今回の宿敵は月9のアノ人
今回の映画で小栗旬の敵対する鳳仙学園のリーダーを演じてる男優、どっかで見たことあるなと思ったら・・・
ちょっと前まで放送していた月9の「ブザー・ビート」で、そのドラマで山Pの元カノの相武紗季を寝撮った役を演じていた、金子ノブアキだったんですね。
口ひげをたくわえて、いかにも敵役が似合う最近出てきた役者ですね。
それとは反対に、最近の山田孝之は、映画「イキガミ」でも感じたんですが、ロンゲのヒゲ面になってから、なんか汚いあんちゃん化してきましたねぇ~
最近では、あの「電車男」の山田孝之とは同一人物とは思えないほどです。
●教師が全く登場しない学園ストーリー
この映画、見落としているのかもしれませんが、教師が一人も登場してなかったように見えました。
あの、ごくせんとは違って、不良たちが主役なので不要なのかもしれないですが、学園ストーリー物で教師が一人も出てこないのも珍しいですね。
何せ他校の生徒とケンカばかりして問題ばっかり起している不良たちをここまで、野放しにしている高校って、現実味ないですけど・・
まあ、原作は漫画の世界なので、何でも有りなんでしょうが、ちょっと異色な感じを受けました。
一人ぐらいはオタオタする教頭みたいなのが出てきてもよかった気がしますね。
●ラストはベタベタな展開で終わる
この映画、ラストはどんな形で終わるか、それは言えないですが、実にベタベタな感じで終わります。
やっぱり、なぁ~ってな感じです。
それはやっぱり不良青春映画の定番的な終わり方でもあるんですね。
ボクらの世代だと、この手の映画だと昔なら「ビー・パップ・ハイスクール」を思い出しますが、この映画はそれに比べたらコメディーの要素が希薄ですね。
好きな女の子の前では、コワもて兄ちゃんも、デレデレになるのはおんなじですけどねぇ~
約一名、バナナ味のコンドームを手に彼女をモノにしようと企むも、仲間たちに邪魔されて♪ちゃらり~んになるシーンが笑えました。
勿論、硬派の小栗旬は黒木メイサにデレデレにはなってないですけどね。
この映画の監督の三池崇史は、去年「ヤッターマン」と平行して、これを撮っていたんですね。
役者のかけもちはよく聞きますが、監督の掛け持ちは、最近では珍しいですね。
続編というだけに、前作とのつながりがある始まりになっているようで、前作を見ていない者には、この作品を見ると前作を見たくなりましたね。
三池崇史が監督しているだけあって、ソツがない映画と言えるのだけど、やはりこの手の青春映画の横一線からは抜け出ていない感じは否めなかったですね。
何より、黒木メイサが後半あまり出てこないのが それが一番の不満だぁーーーっ!
やっぱり、青春映画の定番はヒロインの輝きが一番なんです!
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シネスコサイズで放送するしかないんですね。
釣りキチ三平


冒険は、いつだって君のそばにある。
また人気コミックの実写化映画です。釣りには興味がないので、この原作の漫画は1973年から10年間連載されたようで、その頃少年だったボクは数回見た記憶があります。
でも、釣りには全く興味のない者でも、この映画は楽しめました。
CGが発達した現代だからこそ映像化できたのですね。実際の魚は、そんな作り手のいうことは聞いてくれませんからねぇ~
丁度、「おりりびと」が米アカデミー賞の外国語映画賞を受賞直後に公開されましたが、監督は同じ滝田洋二郎でも公開時は、興行的にはその恩恵はあまり受けなかったようです。






2009年3月20日 松竹系公開
監督:滝田洋二郎
脚本:古沢良太、原作:矢口高雄
音楽:海田庄吾 VFX:白組
上映時間:1時間58分 ビスタサイズ
CAST
須賀健太、 塚本高史、 香椎由宇
高山ゆり、土屋太鳳 、小宮孝泰、 志村東吾
安居剣一郎 、平賀雅臣、 中西良太
片桐竜次 、螢雪次朗 、萩原聖人
渡瀬恒彦






●ストーリー
何やら河原で、魚を中心としたバーベキューが開かれて、子供たちが美味しそうに焼きたての焼き魚を頬ばっています。
鮎釣り大会が開かれたそうで、大人たちを押しのけて、優勝したのは少年の三平でした。それに異を唱えた、おじさん三人組は三平が何かズルいことをやったのではと疑いをかけます。
それに怒った三平は、そのおじさん三人組に再度、鮎釣り勝負を挑み、三平はその勝負にも見事勝って、それが自分の実力だということを見せ付けました。






その様子を見ていた一人の青年が三平に声をかけてきました。その青年は、鮎川魚紳といってアメリカで名を馳せた有名なバス釣りのプロでした。
すぐに三平と意気投合した鮎川は三平の家に宿泊し、三平の祖父・一平と共に釣り談義で飲み明かします。
翌朝、一通の手紙が三平の元に来ましたが、三平はそれを封も切らずに祖父・一平に渡します。
三平の苦手な姉・愛子からの手紙でした。






三平にとって、姉の愛子はおっかない存在でした。じいちゃんの一平が手紙を開封してみると、姉が来る日が今日ということで・・・
三平の前に、突然ガラガラと旅行ケースを引いて現れた姉の愛子。
三平はいきなりの姉の出現に、思わずへたり込みすぐさま逃げ込んでしまいます。
姉の愛子が来た目的は、自分がいる東京に三平を引き取ることでした。
愛子は、三平の好きな外国のチョコレートで買収しようとしますが・・・
買収には応じねぇだ。オラ、東京さいがねぇ~っ!
三平もいつまでも、愛子が思っているほどのお子チャマではないようです。






愛子が三平東京行きを説得できずにいる間に、三平、祖父の一平、鮎川魚紳たちは、愛子が来る前から伝説の夜鳴き谷の怪物を釣りに行く準備を進めていました。
それは、体調1メートル50センチもある巨大なイワナでした。
勿論、そんな大魚、誰も釣り上げたことがなく、故に伝説の怪物と噂されるようになったのです。
愛子はそんな大きなイワナなんているはずがないと否定しているうちに、その夜鳴き谷の怪物を釣り上げたら、三平を東京に連れて帰るのは諦めるという賭けをすることになりました。
果たして、三平たちはその伝説の夜鳴き谷の怪物と出会えるのか!?






ストーリーの紹介は、このぐらいにします。
意外とこの映画、ソコソコよくできていましたよ。
釣りには全く興味がない人でも面白く見れると思いますよ。
特に、食へのこだわりみたいなのが出て、そこが一番面白かったですね。
冒頭から、子供たちが釣れたばかりの焼き魚を食べているシーンから始まりますからね。
そんな釣れたばかりの魚をその場で調理して食うなんて、うまいに決まってます!






ボクも東京に来る前は、海や川で囲まれた田舎で育ちましたが、意外とその中で取れたての魚を食べたという経験はないです。実家が自営業をやっていたせいもあります。
友達の話では、自然の中で食べる食事は格別に美味しいらしいです。
この映画の中でも、その巨大イワナを取る途中で三平たちの昼食で、祖父の一平が取れたてのイワナ(普通サイズ)を捌いて、たたきにして三平たちに薦めるシーンがいいですね。
美味い物を食べると、皆、自然に笑顔になっています。
自然の中の食事なんて、東京の大都市にいたら、絶対に味わえない醍醐味でしょうね。






アタシはもう東京の女よっ!と都会派女ぶっている香椎由宇も、このイワナのたたきを食べた時の顔は、思わずほころんでいます。
その香椎由宇、この映画ではすごくキレイに見えました。先の正月映画「252-生存者あり-」では、全く感じなかった美しさがあります。
三平がその巨大魚と格闘するあたりから、香椎由宇も方言言葉に変わります。
須賀健太は、声変わりがして少年から青年ぽくなる途中のようですが、姉役の香椎由宇がらみのシーンになると、やはりまだまだお子チャマぽく見えてしまいました。






確かにこの作品、VFXが発達したからこそ実写化された映画ですね。
あんな、小さな大人の女の子のような大きい魚を釣り上げる場面は、実際に撮るは不可能です。実際に、そんな大きな魚が川にいるはずないですからね。
昔は日本の特撮はハリウッドに比べられて、見劣りするとバカにされてきましたが、近年の日本のCGやVFXの技術も世界的レベルになってきましたよ。
それに、日本でのコミックは基本的に日本人スタッフによって映像化した方がいいのです。
「ドラゴンボール」なんて全く違ったものになっていましたからね。
日本の漫画の実写化を、外国のスタッフに委ねた時点で失敗するのは目に見えてます。






そもそも「ドラゴンボール」の失敗は、原作を熟知していないスタッフしかいなかったということではないでしょうか。
一人でも原作を知り尽くした、おタッキーなスタッフがいたら、あんなひどい映画にはならなかったですよ。
それはこの釣りキチにも言えることで、生魚食べる習慣の少ないアメリカ人が作ったら、もうパロディーにしかなんなかったでしょうね。


それ以前に、このコミックをハリウッドで実写化しようなんて話も沸き起こらないでしょうね。
それに、この釣りキチ三平は、日本の田舎を舞台にしないと撮れない作品ですからね。
アメリカにも釣り好きな、釣りキチはいるでしょううが・・・
それだけに、そこに根ずいている風土を体験している者が映像化すべきなのです。






おくりびとの快挙に隠れてしまった感じで、誰もが ゛どうせ、つまんないだろう~゛的に思い込まれれてしまいましたね。
でも、映画は見てみると意外と面白いという拾い物も、たまにはあります。
釣り好きでなくても、なんかわかんないうちに引き込まれる魅力が、この映画があります。
格別にいい!とは断言できませんが、見て損はない程度のレベルには仕上がった娯楽作品ですっ!
101回のプロポーズは前回の分(9楽章)がサーバー障害等で勝手に削除されたおかげで、その分を書き直さなくていけないので、それを再アップしてから、また続きに進みます。
もうしばらくお待ち下さい。

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鑑識・米沢守の事件簿 相棒シリーズ
私が今、亡き妻にしてあげることは
事件の〈真相〉を暴くことだけです。
人気シリーズ、相棒も遂にシーズン8に突入して現在放送中ですが、今回はそのスピンオフの映画です。
でも、一番上の宣伝コピーは間違っていますね。鑑識・米沢守の妻は死んでいない、のですよ。
いきなりネタバレで、申し訳ないですが、今回の事件の焦点は米沢の元・妻によく似た女性が事件の被害者ということなのです。
それ以上は、ストーリーで追っていけば、わかってしまいますが、重要なネタバレだけはしません。
新作ですので、例によって最後の方の事件の核心については、バサッと説明を切ります。
これから見るという方は、一応(?)は、ご安心してお進み下さい。
2009年3月28日公開 配給 東映
監督・・・長谷部安春
原作・・・ハセベバクシンオー『鑑識・米沢の事件簿 ~幻の女房~』
脚本・・・飯田武(櫻井武晴)
音楽・・・池頼広
主題歌・・『絆』 作詞:宮本浩次 / 作曲:宮本浩次、YANAGIMAN / 編曲:YANAGIMAN、エレファントカシマシ
105分 ビスタサイズ
CAST
米沢守 - 六角精児
相原誠 - 萩原聖人
天野達之 - 市川染五郎
真鍋知子 - 紺野まひる
高橋早苗 - 片桐はいり
楽光治朗 - 伊武雅刀
亀山美和子 - 鈴木砂羽
宮部たまき - 益戸育江
伊丹憲一 - 川原和久
三浦信輔 - 大谷亮介
芹沢慶二 - 山中崇史
角田六郎 - 山西惇
大河内春樹 - 神保悟志
中園照生 - 小野了
内村完爾 - 片桐竜次
杉下右京 - 水谷豊
亀山薫 - 寺脇康文
ストーリー
東京ビックシティマラソンの事件が終わった直後、警視庁、鑑識課員はそのモニターに映っていた一人の女性に目を奪われます。
そのマラソンランナーの中に数年前に離婚届けを机の上に置いて家を出た、元・妻の和子がいたのです。
すぐに米沢は、マラソン事務局に行って、元・妻の居場所を探りに行きます。勿論、個人情報に拘るので教えてもらえないところですが、何とか警察の特権を利用して妻の住所を知ることができました。
米沢は、元・妻を尋ねようとした矢先、殺人事件が起こり、一本の電話で起されますが、その現場はその妻のアパートでした。
事件現場に行ってみると、青酸カリで自殺したと思われる女性の変死体がありました。
その変死体は、米沢の妻なのかは、その段階ではわかりませんでした。
検死の結果、顔は別れた妻にはよく似ているものの、血液型は違っており米沢の元・妻と全くの別人だということが判りました。
死んだのが、元・妻ではなくてホッとする米沢でしたが、すぐに千束署の刑事の相原(萩原聖人)が訪ねてきます。
相原は、その死んだ女性の別れた夫でした。
かくして、米沢はその相原と共に真鍋知子の死の真相を追究していくことになります。
その裏には警察の外郭団体・青少年防犯協会の事務局長の横領・セクハラがからんでおり、事件の真相は意外なところにあった!?
今回のストーリーの紹介は、これで終わりです。中盤まで、あまり詳しく書いてしまうと、犯人が誰だか検討がついてしまいますからね。
相棒のスピンオフということで、本来の右京&亀山は今回の事件には一切タッチしていません。
でも、所々でその相棒は、映画の中で顔を出してきますけどね。
まあ、今回の事件の鍵を解くヒントを、米沢が右京から落語のCDをもらったことでひらめきますが、その落語のCD自体は事件と何ら関係ありません。
今回の主役は鑑識官・米沢守ですから、今回の相棒は萩原聖人演じる相原という刑事です。
この新・相棒コンビ、なかなか面白いですよ。
その相棒となった相原にサラッと失礼なことを米沢は言われて、意外と米沢は傷つきやすいタイプだとわかりました。
その会話が実に絶妙で、笑ってしまいました。
まあ、どちらも奥さんに逃げられた過去を持ちますから、似た者同士なんです。
それにしても、今回の紺野まひるは、あのおたく鑑識官の奥さんにしては美人過ぎはしませんか?
ちなみに、その米沢の元・妻と殺された相原の元・妻の顔が瓜二つの美人妻を演じている紺野まひる は、元・宝塚のスターだったようです。
なるほど、どおりでキレイなわけだ。
今回の映画で、紺野まひる 、は気になる女優になったので、過去の出演作は後日ググってみたいですね。
正確には、今回の事件で殺された相原の妻、真鍋知子という女性と米沢の元・妻が瓜二つという設定なのですが、米沢の幸せな過去のフラッシュバックで度々、米沢の元・奥さん役でも出てきますよ。
実際にこんなキレイでかわいい奥さんがいたら、家に帰るのが楽しくて仕方ないはずですけどね。
映画の中では、米沢は仕事に没頭して家を空ける日々が続いたために、ある日突然奥さんが出て行ったという設定です。
そこらヘンが実にベタな展開です。
結局はですね。その米沢の元・奥さんがどうして出て行ったか、本当の理由はわからずじまいでこの映画は終わってしまうんです。
何となくわかるような気がしないでもないけど、そこを曖昧に終わらせず、すっきりと決着をつけてほしかったですね。
その私的な部分での米沢守の事件簿(?)は、未解決のまま終わりますからね。
ある日、突然奥さんが離婚届けを置いて家を出て行ってしまったは、やはり男にとっては、事件でしょ!?
結局は、今回の映画はスピンオフということで、前回の事件と関連性を持たせつつも、事件の規模は小さかったですね。
そういえば、映画・踊る走査線2の中で、 ゛事件に小さいも大きいもない゛という台詞を思い出しました。
それに当てはめれば、映画にも大きいも小さいもない。
それは、個々の観客が判断することだ、ということにも当てはまるでしょうか。
今回の事件は、共に奥さんに逃げられた者が相棒となって、死んだ妻の死の真相を追うというものでした。
前回の大掛かりなテロ計画事件に比べると、今回の事件は少し地味ですが、男の侘びしさが何とも心に染みる、哀愁漂う作品でした。
この米沢守の事件簿パートⅡが既に原作としてあるようで、果たしてそれはシリーズとして映画化されるのでしょうか。
もうひとつ追記ですが、今回の米沢の元妻役に紺野まひるを起用した理由が何となく理解できました。
今回の事件のキーワードは、美しいものに対する羨望と嫉妬。
だから、被害者の女性は絶対的美人でなければいけなかったのです。
結局は、この映画で鑑識官・米沢守は優しかった元・妻という、"幻の光"を見ていただけでしたね。
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MW-ムウ-
生きる物、すべて道連れだ。
世界を変えるのは、破壊か。祈りか。
世界的な漫画家・手塚治虫氏の生誕80年を記念して作られた映画です。
ただ、内容は手塚治虫の原作と異なる部分が多数あるためか、これは別物であるという手塚ファンからの猛反発があったようですね。
原作では、主人公二人が同性愛者の設定のようですが、映画ではそんな描写は殆どありませんでした。
この映画のスポンサーからのクレームで、それは取りやめになったようですね。この映画の公式HPでは、そんな仲を思わせる゛ホモだち゛的でしたけど・・
残念ながら、この手塚治虫の原作は一度も見たことはありません。
この手塚治虫の原作漫画は、「ビッグコミック」(小学館)で、1976年9月10日号 ~ 1978年1月25日号に連載されたようですが、当時は一度も見た記憶すらないですね。
同時期に確か秋田書店の週刊少年チャンピオンで「ブラックジャック」も連載されており、そちらの方はリアルタイムで愛読していましたので、よく知っています。
そもそも、このMW-ムウ-の内容が、同性愛と国家的なテロ殺戮が絡む、手塚治虫にしてはかなりの異色作ですので、あまり子供向きではないですね。
今回の映画で、玉木宏が初めての悪役に挑みました。
もう少しすると、今度は最近奇行が目立つ、上野樹里の、のだめ調教映画(?)が12月に公開されます。
正月映画として公開予定の、のだめ映画でも主演の玉木宏は、上野樹里の天然ぶりに頭を痛めてるそうですね。 まさに、玉木宏は珍獣ジュリの調教師、といったところでしょうか。
しかし、今回紹介する映画は、日本映画に久々登場したした、ピカレスクロマンの映画です。
尚、今回から画像すべてダブルクリックで拡大表示されます。
2009年7月4日 公開
監督:岩本仁志
原作:手塚治虫
脚本:大石哲也、木村春夫
音楽:池頼広
主題歌:flumpool「MW 〜Dear Mr. & Ms. ピカレスク〜」((A-Sketch))
挿入歌:SWANKY DANK「For You」(UNITED NOTES)
配給 ギャガ・コミュニケーションズ
上映時間 129分 シネマスコープ
CAST
結城美智雄:玉木宏
賀来裕太郎:山田孝之
溝畑:山本裕典
美香:山下リオ
三田:風間トオル
松尾:鶴見辰吾
岡崎俊一:中村育二
山下孝志:半海一晃
望月靖男:品川徹
橘誠司:林泰文
牧野京子:石田ゆり子
沢木和之:石橋凌
岡崎愛子:小松彩夏
アナウンサー:藤井貴彦、山本舞衣子(日本テレビアナウンサー)
●ストーリー
16年前、゛沖之真船島゛という孤島で、島民全員が虐殺されるという大事件が起きましたが、それは日本政府の圧力によって公表されず、その惨劇は闇に葬られていました。
しかし、そんな中で少年二人が島から脱出していました。
成長した少年の一人は、賀来(がらい)裕太郎といい、その後、教会の神父になっていました。
もう一人、青年に成長した男は、タイのバンコクにいました。
そして、そのタイのバンコクで若い日本人女性の誘拐事件が起こりました。
警察の必死の誘導捜査も虚しく、誘拐された娘とその取引に応じた父親の死体が発見されるという最悪の結果になりました。
そのタイで起きた日本人父娘殺害、身代金強奪の犯人こそが、あの島で生き残った少年の結城美智雄(玉木宏)でした。
彼も青年となり、表の顔はエリート銀行員です。
タイに滞在中からあの事件の担当だった、沢木という刑事は結城を徹底マークしますが、そんなに簡単に結城は尻尾は出しません。
その一方で、新聞記者の牧野京子(石田ゆり子)は、先輩記者の事故死に疑問を抱き、いろいろと調べているうちに、16年前の島民全員虐殺に辿り着いていました。
その中に生き残った少年がいることを突き止め、その一人である神父の賀来に会いに行きます。
その教会に結城も現れましたが、京子の問いかけには、賀来・結城、両者共に一切答えませんでした。
結城は裏で、あの島民虐殺隠蔽工作に関わった人物を次々と抹殺していきました。
彼はあの事件の復讐を遂げていくと共に、国家を揺るがすテロ計画を準備を進めていました。
あの島民虐殺の裏には、戦慄の国家の謀略があり、結城は悪魔となって、その国家を裁いていきます。
果たして、MW-ムウ-と呼ばれるものは、一体何なのか!?
●結城美智雄は血も涙もない男
玉木宏演じる結城という男は、島で家族を殺されていますから、その計画には情け容赦ないですね。
どんなに懇願されようとも、助ける気は全くないです。いとも簡単に殺してしまいます。
まさに、悪魔に魂を売り渡した男、として描かれています。
今回の結城という役は、玉木宏の今まで演じてきたキャラとは全く違いますね。
いわゆる結城は国家への復讐に静かに燃えるテロリスト、といったところです。
●MWはアメリカの軍事用の毒ガス殺人兵器
また、大きなネタバレで申し訳ありません。
でも、この映画、ある程度の予備知識みたいなものがないと、わかりにくいですよ。特に原作の世界を全く知らない者にとっては、最初はホント見ていても、よくわからなかったです。
それに、この映画はそのムウの正体を暴くというより、そのムウを巡っての争いがメインですからね。
また、アメリカの軍部によって、そのムウの秘密を知っている者は次々と消されていきます。
誰も、MW-ムウ-の存在を知ってはならない、と・・
そういう意味では、結城は自らの意思とは逆に、アメリカの軍部に協力しているような結果になっていきますね。結城といえども、アメリカを敵に回せるほどの力はありませんから。
いわゆるMW-ムウ-は、アメリカが日本の孤島で研究開発していた軍事用の毒ガス兵器で、それがある時、事故で島に流出して島民が死んだことが事件の発端です。
そんな事が表に出たら大問題になりますので、米軍が日本の外務省に要請して、島民を全員虐殺して、その外務省のある人物が隠蔽工作をした、ということです。
そもそも、そんな事件はなかった、ということにしたのです。
だからといって、結城はそのアメリカの軍部と裏で繋がっているというわけでもないみたいです。
彼自身が子供の頃に、その毒ガス流出事件で殺されかけていますからね。
現代が舞台ということで、あの大事件も出てきます。
地下鉄サリン事件と9.11テロ事件。
ただ、それはこの時代の背景で、この映画に出てくる事件とは何ら関係性はないです。
出てくるといっても、地下鉄サリン事件は石田ゆり子の口から語られる程度です。
でも、9.11だけは、何か結城がアメリカへの復讐を匂わす台詞を電話で刑事の沢木に言っているのが少し気になりました。
それと、この映画が公開される直前に、スペシャルドラマ『MW-ムウ- 第0章 〜悪魔のゲーム〜』が、6月30日に日本テレビ系で放送されました。
そのスペシャルドラマは原作にはない、ドラマだけのオリジナルストーリーのようです。
しかし、そのドラマの視聴率も9.9%、と極めて低い数字だったせいか、この映画の興行には余り結びつかなかったようです。
そのドラマ、キャストも映画とは異なっていて、主要人物である山田孝之の賀来裕太郎の名前もありませんでした。
この映画の終わり方は、何だか続編を匂わせていましたが、映画の興行成績が七憶円程度だったようで、それでは続編は作られる可能性は低いでしょうね。
この映画、画面が暗いせいかラストの方で何が起きたのか、もう一度見直さないとよくわかりません。
ブルーレイを売る戦略なのか、最近のDVDは明らかに画質落としているような気がしてなりません。
つまらない、とまでは言いませんが、それほど期待したほどではなかった、というのが今回の率直な感想でした。
余命1ヶ月の花嫁・前編 "君のことが好きだから・・"
その時間のすべてが
僕たちの宝物だった。
明日がくることは奇跡です。
今回は実に、ベタベタに泣ける感動映画ですっ!
ただ、見る前はこの手の泣かせてやろうみたいな映画は少し食傷気味でした。
というのは、これは実話です、みたいな感動実話物語がテレビ局の24時間チャリティー番組に必ず組み込まれていて、見飽きた感じがありましたからね。
だから、割と醒めた目で見てしまうのかと思ってたら、あらら・・
思いっきりハマってしまいました!
ぶっちゃけ、映画とかドラマはその時自分の置かれている環境とか心情によっても、見方や評価は変わってくると思います。
例えば、自分の両親のどちらが亡くなった直後に「異人たちとの夏」(1989年大林宣彦監督)を見たら、泣けて泣けて仕方ないと思いますよ。
まあ、人によってはこの手の感動実話的なものはダメ、という方もいると思いますが、好みだけはどうしょうもないですけどね。
今回はストーリー紹介は、少し私情を交えたものになってしまうかもしれません。このドラマのモデルとなった、24才の若さで乳がんでこの世を去った長島千恵さんの冒頭に出てくるメッセージが余りにも強烈過ぎて、魂を揺さぶられるものでしたから・・・
2009年5月9日東宝系公開
監督: 廣木隆一
脚本: 斉藤ひろし
プロデューサー: 平野隆
音楽: 大橋好規
撮影: 斉藤幸一
制作プロダクション: ツインズジャパン
制作: "April Bride" Project
主題歌
『明日がくるなら』JUJU with JAY'ED(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
テーマ曲 『The ROSE』ベット・ミドラー
CAST
長島千恵: 榮倉奈々
赤須太郎: 瑛太
長島貞士: 柄本明
加代子: 手塚理美
花子: 安田美沙子
赤須敏郎: 大杉漣
岡田: 津田寛治
奥野: 田口トモロヲ 129分 ビスタサイズ
●ストーリー
みなさんに
明日がくることは奇跡です。
それを知っていることだけで、
日常は幸せなことだらけで
溢れています。 長島千恵
この作品の冒頭は、映画のモデルとなった長島千恵さんのメッセージで始まります。
二人の出会いはお互い仕事上のミスから始まりました。
イベントコンパニオンをしている長島千恵が慌てて、赤須太郎の元に駈けよって来ました。
自分のブースに飛び込んできた来たコンパニオンの千恵を自分の担当だと勘違いした太郎は、リハーサルをやってているうちに台詞が全く違うことに上司に指摘され、その子が自分たちの会社とは全く違うことに、ようやく気付きました。
帰りのバスの中でも二人は偶然に会い、お互いの勘違いについて話したことがキッカケで、二人は付き合うようになります。
太郎と水族館などでデートを重ねる千恵にとっては、幸せな時間がゆっくりと流れていました。
太郎との結婚も考えるようになり、千恵は実家を太郎を連れて行き、自分の父親に会わせます。
しかし、千恵の体は病魔が進行していました。 千恵は乳がんにかかっていたのです。
病院の検診でそのことを知った千恵は、太郎と別れようとしますが、太郎がガンとして受け付けません。それは、逆に太郎の千恵への想いを加速させるだけでした。
千恵は太郎の負担になることを嫌い、ある日、手帳を破って書いたメモのような、さよならの切れ端を置いて、太郎の前から姿を消します。
乳がんの手術の当日は、父親が付き添ってくれました。実は、千恵の母親も同じ病気で亡くなっていたのです。
太郎としては、そんな紙切れ一枚では納得がいきません。すぐに千恵の実家に飛び、父親に千恵の居場所を聞こうとしますが・・・
しかし、知恵の父親は ゛もう忘れてやってくれ。だから、千恵も辛いんだよ゛と、なかなか居場所を教えてくれませんでしたが、その会話の中で太郎はあるヒントを思い出しました。
太郎は元々、魚嫌いでしたが、それでも唯一、屋久島で食べた゛首折れサバ゛だけは食べれたことを千恵に話したことがありました。
すぐに太郎は屋久島に飛び、やっと千恵を捕まえました。
そして、知恵は服をめくり、手術後の傷が痛々しい、乳房がもうない現実を太郎に見せます。
そんな衝撃的な現実を見せられて、愕然とする太郎ですが、千恵のおっぱいがないくらいで、千恵への想いは微動だりもしません。
おっぱいなんかなくったっていい!千恵は千恵のままでいれば、それでいい!
千恵はそんな太郎の言葉にも、太郎ちゃんが変わっちゃうかもしれないぢゃん!と言い・・
俺は変わらない!、と太郎は千恵を抱きしめます。
太郎に抱きしめながら、ないている千恵に太郎は約束します。
約束する。俺は変わらない、千恵は・・
千恵も・・ずっと変わらないよ。約束する。と、千恵もその太郎の愛情に応えます。
屋久島の美しい海が二人の愛を見つめていました。
これが前半の山ですね。前半のストーリーの紹介はここで打ち切ります。
今まで、乳がんを扱ったドラマの多くは、その術後の傷は、背中越しに撮って、その相手にしか見せてない、つまりには観客には見せないスタイルが多かったですが、今回の映画は明るい場所ではっきりと見せているんですね。
これは、観客にとってもちょっとした衝撃です。女性のシンボルである乳房が切り取られた傷跡なんて、ドラマでもあまり見せないですからね。
その切り取られた術後を見せることで、千恵は自分の乳房が太郎に愛されることが、現実にもうない、ことを見せています。
やっぱり男にとって女性の胸は、ないよりあった方がいいですからね。
千恵は健康な女の子が恋人だけに許す行為を太郎に、させてあげることは、もうできません。
でも、太郎にとっておっぱいよりも千恵の存在そのものがすべて、なんです。
このシーンを見て何故か、小田和正が一度だけ監督した映画「いつか何処かで」の主題歌のフレーズを想い出だしました。
何もいらない。もう、何も求めない。
ただ、愛しい人がそばにいてくれるだけで、それでいい。ということなのでしょう。
太郎が千恵を支えるというのではなく、太郎が最期まで千恵のそばにいることで、太郎の心が支えられている、と解釈できるシーンです。
どんなことがあっても、愛しい人を最後まで寄り添い、できることはすべてやり尽くしたい。
それは、男の本懐、みたいなもんです。
ちょっと、腰砕けになりますが、写真のデータがまだ全部作れてないので、あとは後編に続く、になります。
どうしても時間がかかる作業なので、一度にアップするとなると2日ぐらいかかって更新が遅れますので、また小分けにします。
さて、後半は更なる過酷な運命が待ち受けています。
当たり前のようにある明日が来るということ。それは健康という大前提があって成り立っているということを、ついつい忘れてしまいがちになります。
今回の映画で、 この映画の長嶋千恵さんの痛烈なメッセージは、それが何よりもかけがえのないことだと思い知らされました。
今が最悪でも、生きてさえいれば、再生できる日や、楽しいことはこれからもありますからね。
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余命1ヶ月の花嫁・後編 "終わらない、明日"
太郎ちゃん。
千恵は太郎ちゃんに出会えて・・・
幸せでした。
さて、感動の後編に突入です。
千恵は、おっぱいを失った代わりに、太郎という宝物を再び取り戻すことができました。
それは千恵にとって、どんな高価な宝石にも敵わない、生涯で最高の宝物です。
知恵は、一人で生きていくつもりでいました。だけど、太郎は千恵を一人にはしなかった。
ある意味、千恵は無意識のうちに太郎にサインを送っていたのだと思います。
自分を追いかけてきてほしい、と・・・
後半のストーリーの詳細な紹介はやめます!
前半、台詞を交えて余りにも詳しく紹介してしまいましたから、後半もその調子で紹介すると、この映画を見ていない人も何だか、見てしまった気分になるでしょう。
後半は乳房を切除したにも拘らず、ガンが他に転移して手の施し様がない状態になっていた、というよくある展開です。
後半ストーリーを紹介しないと言いつつ、物語部分に触れていますので、ストーリーを小分けしただけかもしれませんね。
この映画に関しては、二度目に見た時の方が感動しました。
それは、主人公たちに感情移入してしまっているからでしょうね。
ラストのネタバレはしない、といってもタイトルそのものがネタバレ的なものですからね。
タイトルだけで、主人公の女の子がどんな運命を辿るか、わかっちゃいますからね。
写真でわかっちゃうかもしれないけれど、結婚式がラストーンではないです。千恵の最期の臨終の写真は使いません。
余命一ヶ月、としといて、実はまだ生きていますみたいなオチには絶対にならない、ですし・・・
だから、後編は感想のみに止めておきます。結婚式での千恵に起きたサプライズのネタバレはしない方がいいかな、と思いましたので。
それはストーリー的には小さなサプライズですが、千恵にとってはものすごく嬉しいものです。
太郎はそのアイテムを求めて、雨の中をズブ濡れになって奔走します。しっかり、゛青春映画゛してます。
まあ、言わせてもらえれば、男は好きな女の子の好きなアイテムぐらい、心のハードディスクに常時保存してますよ。
それが忘れたとか消去されたなんてのは、気持ちが変わったという証拠でしよう。
まあ、長年連れ添うと、そういうことが起こりうるみたいですけどね。
千恵って女の子は、心もかわいい女の子ですね。
ちゃんと太郎の仕事での立場や、太郎の将来も考えている。
だけど、太郎の気持ちまでは考えている余裕はないようです。
自分はもうすぐ、この世から消える存在だから、将来太郎を好きになるかもしれない彼女のために、ウェデングドレス写真は自分一人でいい、と淋しいことを太郎に言います。
千恵は、太郎をバツイチにしたくない、ようです。
でも、これって、男の気持ちをバカにしてますよ。
男ってのは、実に愚かな生き物、だと思います。
男は、好きな女の子の為なら、自分の身はいくらでも削れます。
それが出来ない男は、それだけの気持ちがない、ってことではないでしようか。
凄い極端なことを言っているのは、自分でもわかりますが、この映画の太郎はまさにそれが当てはまっているような気がします。
だから、太郎の千恵に対する愛情は、引くに引けない男の気持ち、なんです。
それに、この物語は架空の創作の物語ではなく、実在しててますしね。
映画の途中で、太郎の父親(大杉蓮)が、゛お前はいつか彼女を支えきれなくなる。それで辛い思いをするのは彼女だぞ゛と厳しい苦言を呈されるシーンがあります。
それは当っているようで、実は間違っているようにも思います。
それに、親に言われたぐらいで彼女の元を去る奴だったら、そいつ男じゃない!
男だったら、意地を張れ!それが男だ!
すいません。必要以上に熱くなってしまってます。
結局、太郎の父親の苦言は、全くの逆効果で、太郎にとっては、火に油を注がれたようなものです。
だから、自分の父親にそんなお説教食らった太郎は、更にムキになって病院に泊まり込みで、そこから会社通勤、という荒技に出ますからね。
思わず、太郎ちゃん、えらい!っと言ってしまいそうになります。
太郎は千恵のそばにいて、いろいろとやっていることで、彼の精神の均衡が保たれているような気がします。
もし、それが自分の生活だけになって、ただ電話等で千恵の様子を聞く程度で何もできない状態だつたら・・彼は逆に壊れていったかもしれません。
それは太郎が千恵にそばにいることで、彼の生きる力になっているように思えるからです。
かなり、この映画に入り込み過ぎて、感想とはかけ離れたものになりましたね。
でも、どれだけその映画に感情移入できるか、それが映画の見方を変える場合もあります。
実は、見る前はこんなベタベタ感動映画は、それほど期待もしていなかったんですよ。
まさかこんなに、どっぷりとハマるとは予想外でした。
映画って、ホント見てみないことには、わからないものですね。
乳がんは女性特有の最近流行りだした現代病のようですね。
それは、健康な人間にとってはまさに゛人ごと゛です。
ただ、自分たちは知らないところで体の内部が破損し始めていて、それに気付かないだけ、なのかもしれません。
そう考えると、死は遠い将来にあるようで、実は背中合わせにある、ような気もしてきます。
健康であること。それが何よりも生きていく上での゛かけがえのない財産゛なのに、いつしかそんなものは当たり前過ぎて、日常において意識すらしませんよね。
病気になって改めて分かる、゛健康である有り難味゛とは、よく言ったものですね。
この映画の長島千恵さんのメッセージである。明日が来るということは、何でもないようことが実は、素晴らしいことなんだと改めて気付かされました。
もっと早く検診を受けていたなら、゛その素晴らしい明日゛はまだ続いていたのに・・・
恐らく、ガンで亡くなっていった人の多くの無念が、その言葉に集約されているような気がします。
大事な人を失った時は、誰しもが辛いです。個人的なことですが、僕も去年妹を病気で失いました。
その時、さだまさしの「防人(さきもり)の詩」の第三小節がふと頭に浮かんできました。
欠けていく月もやがて満ちて来る
なりわいの中で。
その゛月゛という言葉は人の気持ちを現しているように思えます。
人は、悲しいことがあったからといって、ずっと泣いて過ごすわけにはいきません。心の欠けた部分は、時間がゆっくりと修復してくれます。
それは以前、当ブログの「二百三高地」にも同じことを書いたような気もしますが・・・ 書いたことはすぐに忘れてしまいます。
音楽は、JUJU with JAY'EDの『明日がくるなら』よりも、むしろテーマ曲使われている映画音楽の名曲で名高い、ベット・ミドラーの『The ROSE』が、かなりヤバイですっ!
その曲、バラードですから、千恵の心情と重なって見ている者の心にジワッと広がって、ウルウルモードにスイッチ・オン!です。
昔、宮崎駿の「おもいでぽろぽろ」で、その曲を使用した、都はるみの和訳の主題歌がありました。
愛は花。命の花。
君はその種子(たね)
とにかく、映画は見て見ないことには、いいか悪いかなんて判りません。
感動物は食わず嫌い、という方もいるでしょうが、たまには自分の不得意分野を開拓してみてはいかがでしようか。
不遜な言い方になるけど、長島千恵さんの短い生涯は、決して不幸なだけの人生ではなかったような気がします。
短い間だっただろうけれど、一人の男の一途で献身的な一生分の愛を注がれて、それを全して旅立たれていかれましたしね。
例え、その身は白い粉と変わり果てようとも、あなたが遺したもの、はずっと未来永劫消えることなく、あなたの好きだった人たちの中で生き続けるはずですから・・
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