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聯合艦隊司令長官 山本五十六-太平洋戦争70年目の真実-


日米開戦から70年目の真実
その開戦に反対した男・山本五十六
日本の最大にして最期の戦いが始まった!


今回は「聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-」です。
監督・成島出。この物語の主役の山本五十六役に役所公司。他に柳葉敏郎、玉木宏、坂東三五郎、原田美枝子、阿部寛、柄本明らが出演しています。






かつて東宝の8.15シリーズで三船敏郎・主演で映画化され、今回は東映でリメイクされました。
今回の新作はアメリカとの開戦、ミッドウェイ海戦、ガダルカナル撤退作戦、そしてラバウルでの山本五十六機撃墜までを描いています。
映画やスペシャルドラマなどで何度も描かれてきた連合艦隊指令長官・山本五十六を主人公にした太平洋戦争映画です。
果たして、現代でそれをどうリメイクしたのか実に興味深いものがありました。
それでは、この激動の昭和の戦記映画に興味のある方は、下の追記を読む、からご覧下さい。
監督 - 成島出
監修・原作 - 半藤一利
脚本 - 長谷川康夫、飯田健三郎
プロデューサー - 小滝祥平
撮影 - 柴主高秀
美術 - 金田克美
装飾 - 大坂和美
音楽 - 岩代太郎
録音 - 橋本文雄
照明 - 長田達也
編集 - 阿部瓦英
VFXディレクター - 鹿住朗生
SFX/VFXプロデューサー - 浅野秀二
特別協力 - 山本義正
製作 - 「山本五十六」製作委員会
(バンダイビジュアル、東映、木下工務店、ワタナベエンターテインメント、東映ビデオ、テレビ朝日、寿スピリッツ、SBIホールディングス、ブロードメディア・スタジオ、アサツー ディ・ケイ、吉田正樹事務所、ディ・コンプレックス、フードディスカバリー、エネット、新潟日報社、新潟放送、新潟総合テレビ、テレビ新潟、新潟テレビ21、読売新聞社、山陽鋼業、アオイコーポレーション、デスティニー)
製作プロダクション - デスティニー
配給 - 東映
主題歌 - 小椋佳『眦(まなじり)』
CAST
山本五十六(聯合艦隊司令長官) - 役所広司
堀悌吉(元・海軍中将) - 坂東三津五郎
米内光政(海軍大臣) - 柄本明
井上成美(海軍省軍務局長) - 柳葉敏郎
三宅義勇(聯合艦隊作戦参謀) - 吉田栄作
山口多聞(第二航空戦隊司令官) - 阿部寛
宇垣纏(聯合艦隊参謀長) - 中村育二
黒島亀人(聯合艦隊先任参謀) - 椎名桔平
南雲忠一(第一航空艦隊司令長官 兼 第一航空戦隊司令官) - 中原丈雄
永野修身(軍令部総長) - 伊武雅刀
牧野幸一(山本と同郷の零戦パイロット。海軍少尉)- 五十嵐隼士
秋山裕作(「東京日報」記者)- 袴田吉彦
真藤利一(「東京日報」記者)- 玉木宏
草野嗣郎(「東京日報」編集長) - 益岡徹
宗像景清(「東京日報」主幹)- 香川照之
谷口志津(小料理屋「志津」の女将)- 瀬戸朝香
神埼芳江(「志津」の常連客のダンサー)- 田中麗奈
高橋嘉寿子(山本の姉) - 宮本信子
山本禮子(山本の妻) - 原田美枝子
2時間20分 ビスタサイズ
●予告編
ストーリー
昭和14年夏。日独伊三国軍事同盟締結をめぐり、日本国内の軍部でも揺れに揺れていました。
2年前に勃発した 支那事変が泥沼化しつつある中、 日本は支那を支援する英米と対抗するためにも、新たな勢力と手を携える必要があったのです。
強硬に三国同盟締結を主張する陸軍のみならず、国民の多くもまた強大なナチスの力に熱狂しており、この軍事同盟に新たな希望を託していました。
しかし、その世論に敢然と異を唱える男たちがいましたた。
海軍大臣で後に内閣総理大臣を歴任する米内光政、海軍次官山本五十六、軍務局長井上成美らでした。
彼らが反対する理由は明確でした。日本がドイツと結べば必ずやアメリカとの戦争になると見ていたのです。
日本の10倍の国力を持つアメリカとの戦は何としても避けなければなりません。
陸軍の脅しにも世論の声にも屈することなく、まさに命を賭して山本五十六は反対を唱え続けていきます。
その甲斐あって、やがて三国同盟問題は棚上げとなりました。
昭和14年8月31日、山本五十六は生涯最後の職である
「連合艦隊司令長官」として旗艦「長門」に着任しました。
しかし、時を同じくして世界情勢は急転し始め、アドルフ・ヒトラー率いるナチス国防軍がポーランドに進攻してきました。
それを機に欧州で第二次世界大戦が勃発します。快進撃を続けるドイツの力に幻惑され、 日本国内では再び三国同盟締結を求める声が沸騰します。
そしてその流れに抗しきれず、 海軍大臣及川古志郎は従来の方針を改め、同盟締結に賛成してしまいました。
昭和15年9月27日、日独伊三国軍事同盟がついに締結しまいました。その後日本は急速に戦争への坂道を転がり落ちて行ったのです。
およそ40万人の将兵を預かる連合艦隊司令長官山本五十六は、対米戦回避を願う自らの信念と、 それとは裏腹に日一日と戦争へと向かいつつある時代のずれに苦悩し続けました。
しかし、昭和16年夏、どうしても米国との戦争が避けられないと悟った時、五十六は一つの作戦を立案しました。
米国太平洋艦隊が停泊するハワイ、真珠湾を航空機によって奇襲しようというのです。
山本五十六は世界の戦史に類を見ない 前代未聞のこの作戦を、軍令部の反対を押し切ってまで敢行しようとします。それはアメリカに勝つ目的では決してなく、 一刻も早く戦争を終わらせるための苦渋に満ちた選択でもありました。
かくして運命の1945年12月8日。日米開戦の火蓋が切って落とされ、日本の機動部隊はハワイの真珠湾を攻撃しました。
戦勝に沸き立つ中、山本五十六だけが苦渋に満ちた表情でした。
山本の不安は的中するかのように、日本軍の戦況はこの日米開戦の日から大きく変わっていくのでした・・・
ストーリーの紹介は以上です。
サブタイトルが-太平洋戦争70年目の真実-となっていますが、映画に出てくる、“その真実”は何の目新しさもありません。
開戦時のアメリカ大統領のルーズベルトは、事前に日本の真珠湾攻撃を知っていた、というのはもう何年も前に報道番組で明らかになっています。
だから、真珠湾に空母はいなかった。
1981年の東宝の「連合艦隊」で、小林桂樹演じる山本五十六の言葉が強烈に今でも残っています。
“何故、真珠湾に空母はいなかったのだ。空母を撃ち漏らしたのでは、真珠湾を攻撃した意味がない。”
この映画の山本五十六は、しきりに開戦の事前通告がちゃんとなされたのかを非常に気にしています。
しかし、真珠湾攻撃後のルーズベルトの声明では、その事前通告されておらず、これは日本の卑怯な騙し撃ちであるというものでした。
日本が攻撃してくるのを察知しておきながら、日本を悪者扱いにするルーズベルトの謀略です。
本作品では、そのルーズベルトの策略にはあまり触れられてはいませんけどね。
山本五十六は、アメリカに行っていたこともあり、アメリカの国家戦略も熟知しています。
アメリカに喧嘩売って、勝てる筈がないことは山本五十六が一番よく知っていたと思います。
明治時代の“象とネズミの戦い”と言われた日露路争のロシアのようなわけにはいきません。
しかし、その列強のロシアに勝ったことで、“日本は神の国で絶対に負けない”という実に困った根拠のない精神論が出来上がってしまいましたね。
映画の中で、一般人の市井の人々の会話でも、日本は鎌倉時代の蒙古来襲から日清、日露の戦いまで一度も外国の戦争は負けてないとの会話がありました。
でも、豊臣秀吉の朝鮮出兵はどう見ても勝ちとは言えないでしようけどね。
これまでの戦記映画の中での山本五十六は、どの映画でも戦争を回避していた軍人という描き方でした。
真珠湾を攻撃指揮したのも、先制攻撃で勝利の後のアメリカとの早期講和を山本は目指していました。
その山本五十六の描き方は今でと全く同じですね。
少し今での戦争映画と違う点では、山本五十六の家族との団欒と、山本五十六がいかに甘党で食い意地の張った人物だったという点です。
この映画の山本五十六は、とくかく食べているシーンが多く出てきます。
その象徴的なシーンが山本と同じ長岡出身の部下が差し入れた水まんじゅうをすぐにいただいています。
水まんじゅうが入った器に、砂糖をたっぷりと入れて・・・
山本五十六の年齢であんなに砂糖を大量に摂ったら、間違いなく糖尿病になりますよ。
新潟の長岡では、水まんじゅうに砂糖どっさり入れる習慣でもあるんでしょうか。
中の餡だけでも充分に甘いと思いますよ・・
それにしても、役所公司は本当に美味しそうに食べていますねぇ~エビスビールのCMも本当に旨そうにビール飲んでいますね。
この水まんじゅうを食べるシーンは、何か今まで映画の中で見てきた山本五十六のイメージと違って、微笑ましかったです。
いや、それにしてもですね。戦争映画にしては、戦闘シーンが余りにもショボ過ぎます。
肝心の真珠湾攻撃やミッドウェイ開戦にしたって、たったこれだけかい!という感じでした。
何せ映画の中で真珠湾攻撃が始まるのは映画開始から55分後です。
それまで開戦に至るまでが長すぎます。この手の戦争映画はスペクタルの要素が強い作品が圧倒的に多いのですが、この映画に限ってその迫力は希薄ですね。
それと、もうひとつ異色だったのは、ミッドウェイで空母三隻も沈められて大敗北しているというのに、山本長官はのんきに将棋をさしています。
山本五十六がギャンブル好きなのは有名ですが、いくら何でも職務中にはやらないでしょう。 ましてや戦況が逼迫している時に・・
これが本当なら軍法会議ものでしょう。ましてや日本軍が大敗北して、空母三隻は失うわ盟友の山口多門は戦死していますからね。
山本五十六、敗北に動じず、泰然自若というのを出したかったかもしれませんが、それは違うと思います。
これは監督の成島出(いずる)は、戦争映画を撮る監督しては不適任だと思いました。
肝心の戦闘シーンをなおざりにしていますから、娯楽作品としても欠如しています。
ところで、戦争映画が公開されると“反戦”を論じる人が必ずといっていいほどいますが、何かあまり意味がないような気がします。
戦争が絶対悪であることは判りきったことですからね。
それに我々は戦後何十年も経って生まれて、空から爆弾が降ってきたなんてことを経験したことのない世代ですからね。
そんな、あの悲劇を繰り返してはならない、なんて戦後の平和な時代に生まれた人間が言ってみたところで、当たり前過ぎる不毛論です。
よく報道のニュースキャスターはそんな当たり前の言葉を繰り返しますよね。
それよりも、過去の歴史でどれだけの愚かなことをしてきたのか・・・教科書では教えてくれないことを映画や本などで知っていくことの方が重要な気がします。
多少、誇張して間違った描き方してある映画もありますけどね。
戦争なんて、いつの時代でも強者が弱者を食う、というものでしょう。
アメリカ側が日本を終戦に導く為に原爆投下したなんて、実にふざけた暴論です。戦争に正義なんて存在するわけがありません。
飛躍的過ぎてますが、これは人間の根本にあるもので、今問題になっているイジメ問題にも通じているような気がしてなりません。
その人間の強い者が弱い者苛めする悪の根源は結局はなくなってはいない。そう思えて仕方ないのです。
国家と一集団とではレベルが違いますけどね・・・
戦争映画は好きなジャンルでもありますから、この作品に期待したのですが・・・
ああ、こんなものか・・という失敗作でした。
それでも、見るべきところはあります。
でも正直、東宝の8.15シリーズの戦争映画を口直しに見たくなってきました。
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こちらのブログにたどり着いて
しまいました。
こんなに熱く、丁寧に語っていただけると
ほんとうにワクワクします。
この映画を拝見することにいたしました。
今、ヌードな映画はちょっとネタ切れ状態です。
今月(八月)あたりは、ヌードな映画作品はアップ予定ですが、
あっても一作品かそんなものかもしれません。
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